ピークを知る男

先日、

東京メトロ(地下鉄)に

 

乗っていると、ふと目に

止まった広告、

 

“ピークを知る男 

ダンディ坂野、

小島よしお”

 

混雑緩和を訴える

ポスターと動画コンテンツでした。

 

ダンディ坂野さんは、

“ゲッツ!”、

 

小島よしおさんは、

“そんなの関係ねぇ!、

はい、オッ、パッ、ピー”

 

持ちギャグで一世を

風靡したのは記憶にあると

 

思います。

 

当時を振り返って、

 

「揉みくちゃにされて、

毎日大変でした」

 

「あの時もあの時で

幸せだったと思うん

ですけど、今のほうが

幸せかなあ…」

 

他人とズレてるくらいで、

ちょうどいいと思うよ。

そういう時代になったし。」

 

・・・・という言葉に、

 

私自身、

何か心動かされました。

 

絶頂期で、売れていた

ピーク状態を知っている

 

ご両人が通勤電車の

混雑緩和;オフピークの

 

啓発活動を行って、

決して負け惜しみではなく、

 

昔の売れていた時

(ピーク時)よりも、

 

今;昔ほど売れていない時

(オフピーク時)の方がいい、

 

幸せだと表現されている。

 

この資本主義経済下の

日本において、芸能人、

 

会社員ともに、

常にピーク状態を

 

更新するように、

求められている。

 

昨日が、去年が、

過去最高の

 

ピーク状態であったら、

今日は、今年は

 

さらに上の

ピーク状態を

 

求められて、

 

その風潮の中でほとんどの

人達が翻弄されていくのが

 

当たり前の世の中であると

私は思います。

 

そして、私は以前、

翻弄されていた一人です。

 

常に右肩上がりで、

ピーク状態が更新され

 

続けられることが

求められていました。

 

サラリーマンをやっていた

24年間に、時代が

 

変化することによって、

ピーク状態になるための

 

条件が変化していったと

感じています。

 

只々、一生懸命に働くだけでは、

ピーク状態を迎えられない、

 

もしくは、過去に要した

労力の2倍以上

 

必要だったりしたと

思います。

 

ですから、その当時は、

ピーク状態ではない

 

自分自身にならないために、

足繁く、自己啓発セミナーに

 

通っていたと思います。

 

ピーク状態でない

自分自身を

 

認めることが出来なかった、

ピーク状態でない他人、

 

会社、日本などを認める

ことが出来なかった。

 

だから、自分自身を磨くこと、

ピーク状態でいるために、

 

時間もお金も

掛けていました。

 

そして、自分の周囲に、

ピーク状態ではない、

 

もしくはピーク状態になろうと

努力しないように

 

見受けられる

人達には

 

とてもつらく当たっていたと

思い起せます。

 

視野狭窄が起きていて、

ピーク状態であることが

 

あまりにも重要、

それ以外

 

考えられない、

と思っていました。

 

ところが、私自身、

40歳を過ぎたあたりから、

 

 

体力、気力、記憶力、

集中力など全てにおいて、

 

 

以前の自分自身とは

比較できないほど減退して、

 

 

 

私自身はまるで

“何かが壊れたような感覚”

 

でした。

 

自分自身のピーク状態を

取り戻そうと思って

 

努力しても、

理想との差は、一向に

 

埋まらない感じで、

さらに、原因不明の

 

全身激痛が不定期に

発症して、

 

ますますピーク状態から

かけ離れた状態、

 

つまり強制的に

オフピーク状態に

 

なっていました。

 

そのオフピーク状態を

簡単には、

 

受け入れられるものでは

ありませんでした。

 

一番、毛嫌いしていた

状態ですから・・・。

 

ただ、その年齢で出来る

最大限の努力は、

 

惜しまなかったと思います。

 

でも、周囲の同僚の反応や

仮に私がピーク状態で

 

あったとしても、

完敗してしまうような

 

後進達が現れた時に、

自分自身がオフピーク状態で

 

あることを認識して、

受け入れるまでに時間は

 

掛かりましたが、

オフピーク状態で

 

今、生きています。

 

オフピーク状態を

迎えたことで、

 

自分自身に対する

問いで、

 

“この先の人生を

生きていく際、一体、

 

何をすることが自分自身に

とって幸せなんだろうか?”

 

“この先の人生、

お金と時間を使って、

 

何をすることが自分自身、

一番幸せなんだろうか?”

 

と自分に問うてみた時、

ピーク状態の時では、

 

東証一部上場企業で

役職付きで働く、

 

お金持ちである、

影響力がある、

 

権威がある、

名声がある、

 

評価があるなど

全て自分の外側が

 

満たされることで、

ピーク状態を

 

維持しようとしていました。

 

しかし、今、オフピーク状態では、

自分の外側には、

 

自分を満たしてくれるものは

ないと思います。

 

昔と今とでは「幸せ」の基準が

変わったんだと感じています。

 

ただ、私はピーク状態を

否定している訳

 

ではありません。

 

ピーク状態を経験して、

そこからどんなに頑張っても

 

衰退していく

経験がなかったら、

 

オフピーク状態を

経験出来なかったでしょうし、

 

自分自身にとっての本当の

幸せって何か、ということにも

 

疑問を持たなかったと

思います。

 

みなさんにも、

形は違えど、

 

ピーク状態からオ

フピーク状態になる

 

人生の分岐点は

訪れると思います。

 

その際、より良いものに

昇華できるか、

 

ネガティブに受け取るか、

あなたご自身が

 

決めることが出来ますよ。