オーバードーズって、何!?

最近の報道で、

“薬物過剰摂取”で、

19歳の女子高生が死亡した

ニュースがありました。

 

 

私自身、

依存症専門カウンセラー

あるので、日本で

まだあまり知られていない、

“違法薬物”

“過料服薬(オーバードーズ)”

について、

お話したいと思います。

 

 

 

まず、

オーバードーズについてですが、

日本語では

“過剰摂取”

“過料服薬”

と訳されていて、

 

通常、市販薬品でも、用法、用量が

取り扱い説明にきちんと書かれていて、

その説明文に沿って

薬を使用することが

推奨されていますが、

市販薬でも、大量に、一気に服用して、

場合によってはアルコールを一緒に

服用することで、

 

一時的ですが、

多幸感があったり、

空中浮遊感があって

いい気持ちだったり、

 

意識を失って、不安も、

恐怖も感じなくて済んだりするので、

再現性があり、結果的に、

ココロも、カラダも

痛めつける自傷行為です。

 

そして、

多くの人達が誤解しているのは、

違法薬物

(覚醒剤・麻薬・コカインなど)を

含めて、

 

 

「オーバードーズは“快感”“多幸感”が

得られるから止められない」、

 

 

平たく言えば、

“気持ちいいから、止められない”

つまり正方向の相関関係であると

思っている人達が多いと思います。

 

だから、

一度、薬物事犯で捕まった人が、

再犯した時に、多くの他人達は

“情けない”

“根性なし”

“我慢できなかったの”

などの誹謗中傷がSNS上に

飛び交う訳です。

 

しかし、

実際には、薬物に依存する人達は、

 

“生きていることが苦しい・辛い”

“自分の居場所がない”

“死にたい”

“消えたい”

 

などの症状をもっている

人達がほとんどで、

違法薬物を含めて

過料服薬をやった一瞬だけ、

その苦しみから解放される、

 

平たく言えば、

“苦しくて、辛くて、

死にたいけど、死ねない。

薬をやった瞬間だけ、

誤魔化すことができて、

事件になるから

いつも注目してくれない人達が

注目してくれたりする”

 

つまり負方向の

相関関係である訳です。

 

止めようと決心しても、

離脱症状が辛すぎて、

再犯してしまったり、

依存対象の薬物がなくても、

日常生活を生き辛いと

感じている限り、再び、

薬物、もしくは別の依存対象に

依存してしまう訳です。

 

 

その証拠に、

再犯が起こるタイミングで

一番多いのが、

“刑務所から出所直ぐ”

なのです。

 

刑務所内には、

薬物は存在しないので、

やろうと思っても出来ませんし、

刑務所内のルールに従って、

生活しないといけないので、

自由ではない訳です。

 

でも、出所すると、

再び、生き辛さ・苦しさを

感じる世間で、選択できる

自由を与えられた時に、

薬物をやらない、と強い意志を

もって止め続けられる人は

そうそういないと思います。

 

 

 

(ちなみに、

平成296

厚生労働省調査発表によると、

覚醒剤事犯の再犯率は、

平成28年 64.9%”

芸能人ではない人達のデータですが、

傾向として再犯率は

平成18年から

10年連続で上がり続けています。

 

大変興味深い

実験があります。

 

 

カナダ:サイモンフレーザー大学の

ブルース・アレキサンダー教授の

チームが行った、

 

“ネズミの楽園;Rat park

という実験です。

 

 

32匹のネズミを

16匹×2グループ(A群、B群)に分けて、

全く異なった居住環境を設定、

 

A群の居住環境は、

ネズミ1匹分の居住スペースが

金網で仕切られていて、

他のネズミとの接触が一切できないもの、

 

B群の居住環境は、広々としたスペースで、

仕切りなどなく、床には暖かくて、

巣が作りやすい常緑樹の

ウッドチップが敷き詰められて、

いつでも好きな時に、好きなだけ

十分な餌が用意されました。

 

 

所々でネズミ達が遊べるような

遊具を置いて、

交流の妨げにならないように

工夫されました。

 

 

各グループには、

2種類のお水が提供されました。

 

1つは普通のお水、

そしてもう一つは、

モルヒネ

(オピオイド鎮痛薬;麻薬性鎮痛薬;

痛みを脳に伝える神経の活動を抑制し

、強力な鎮痛作用を示す

入りのお水です。

 

モルヒネ入りのお水は、

普通とても苦いものになってしまい、

飲めた代物ではなくなるので、

砂糖水にモルヒネを入れて提供されて、

57日間観察されました。

 

 

 

結果として、

A群のネズミ達は、

2種類あるお水でも、

モルヒネ水を頻繁に、

大量に飲み続け、

常に酩酊した状態

(ひどく酔っ払った状態)で

あったのに対して、

 

 

B群のネズミ達は、

他のネズミとじゃれ合ったり、

交尾したりして、

モルヒネ水は

なかなか飲みませんでした。

 

 

そして、

A群のネズミ中から

1B群に移動させて、

その後を観察しました。

 

移動して、

最初の頃は離脱症状と

思われる痙攣などを

呈していましたが、徐々に

B群のネズミ達とじゃれ合ったり、

遊びながら、モルヒネ水ではなく、

普通の水を飲むように

なっていきました。

 

 

この実験が

私達人間に教えてくれているのは、

 

“薬物依存は孤独の病で、

自分自身の自由を剥奪されている

状態では寛解はあり得ない”

 

 

“回復は、檻に閉じ込めた

独りぼっちの孤立状態ではなく、

コミニティー(共同体)・仲間の

中で行われることが

望ましいということ”

でした。

 

 

Addiction(薬物中毒)には、

Connection(繋がり)が大切である

ということです。

 

 

 

近年、SNS、Web空間の発展により、

人間は飛躍的に便利になりました。

 

そして、その反面、直接、

会ったり、触れ合ったりする

機会が激減していることで、

人と人のつながりが

希薄になっていることを感じます。

 

 

この社会的背景が人間に

及ぼす心的影響は

甚大がものであり、

この要因がココロの悩みに繋がっている

人達をよく見かける、

と私は感じています。