他人が怖い人へ

お悩みを伺っていると、

 

“他人が怖い”

“集団に属することが怖い”

 

などのお悩みを

伺うことがあります。

 

よく事情を伺ってみると、

 

“あの人は、絶対、私に

意地悪してくるに違いない”

 

“あの人はきっと私のことを

嫌っているから、

私を無視してくる”

 

などの妄想がクライアントを

怖がらせている訳です。

 

 

たしかに、

 

初めて面会する人や

初めて参加するコミュニティなど、

 

お話して共通点が

見つけられるまでの間、

 

もしくは

 

お互いを理解し合えるまでの間、

そんなに簡単にココロを開かない、

 

と思います。

 

徐々に、共に過ごす時間が

長くなって、信頼関係が

 

構築された時に、

意識しなくてもココロは開いて、

 

無駄な自己防御は

しないと思います。

 

つまり、時間は掛かるけれど、

単純接触効果で面会する時間が

 

長くなればなるほど、

他人と打ち解ける易くなる

 

はずなのに、

いつまで経っても

 

 

“他人が怖い”

“集団に属することが怖い”

 

と感じる人がなぜいるのか、

お話していきたいと思います。

 

まず、基本的に

 

“他人が怖い”

“集団に属することが怖い”

 

と訴える人達は、

現実に他人を見ていません。

 

全ては、

その方が持っている

 

イメージ;妄想の中で

起きていることです。

 

では、なぜ、お悩みを

持った方々は、自分自身を

 

怖がらせるイメージ;妄想を

もっているのでしょうか?

 

これは、幼少期の体験に

基づいていると

 

考えられています。

 

幼少期に家族が

バラバラであった、

 

親の機嫌が突然変化した、

 

親からネグレクトされていた、

 

親から褒められたことなく、

いつも嫌みを言われていた、

 

親に甘えようと思って、

近づいてみたら、

邪魔者扱いされた、

 

などを経験すると、

 

“私は嫌われ者だ”

“周りの人達は、私を傷つける”

 

などの思い込みを持って、

恐怖心をもっているので、

 

他人に近づこうとは思いません。

 

人間だれしもが防衛本能を

持っていますので、

 

一度、傷つけられると、

二度と傷つけられないように、

 

傷つけられた対象を

避けようと学習する訳です。

 

そのため、

 

ビリーフという思い込みを

ずっと大切に持ち続けて、

 

大人になってからも、

周囲の人間関係を

 

幼少期に作り上げた

ビリーフに当てはめて、

 

見なしてしまいます。

 

ですので、

現実には、周囲の人達は

 

入れ替わっているのに、

体感で感じているのは、

 

幼少期に思い込みを

作った時の体感なので、

 

いってみれば、

 

その“他人が怖い”

“集団に属することが怖い”

 

と言っている人達は、

対面している他人を

 

見ているのではなく、

体感として残っている

 

イメージを重ね合わせている

だけです。

 

 

その結果として、

人間関係、コミュニケーションが

 

うまく取れず、生き辛さ、苦しさを

抱えてしまう、

 

ということになる訳です。

 

では、どうすれば、

 

“他人が怖い”

“集団に属することが怖い”

 

という反応症状を

軽減することができるか、

 

ですが、

方法としては、大きく2つあります。

 

 

1つは、思い込み;ビリーフを

作り上げた当時、強烈な感情が

 

沸き起こったから、

上記で述べたように、

 

防衛本能の働きで、

自分自身を安心安全に

 

保つために、

思い込み;ビリーフと

 

呼ばれるマイルールを

作成します。

 

ですので、

当時、感じ切れなかった

 

“未完了の感情”を感じきれば、

マイルールは必要なくなるので、

 

症状は軽減します。

 

 

この“未完了の感情”を

感じる行程は、

 

ひとりで出来ないことも

ないですが、

 

プロの心理セラピスト/カウンセラーに

依頼した方が良いと思います。

 

なぜなら、“未完了の感情”を

感じ始めると、感情の嵐に

 

巻き込まれて、

自我が完全に失われてしまう

 

可能性があるからです。

勘違いして欲しくないのですが、

 

“未完了の感情”は、

完了するまで、

 

十二分に感じることが

大切ですが、

 

自我を失ってしまう状態に

なってしまうのは、やり過ぎです。

 

あくまで、未完了の感情を

完了させながらも、

 

冷静で、理知的な自分自身も

いないといけません。

 

やむを得ず、文字にして

お伝えしていますが、

 

ニュアンス/塩梅が伝わらない、と

思いますので、

 

実際には、

プロの心理セラピスト/カウンセラーに

 

一任した方がいい、というのが、

私の意見です。

 

もう一つは、

 

“他人が怖い”

“集団に属することが怖い”

 

という認識が間違っている、

ということを段階的な体験によって、

 

“他人は怖い人もいるけど、

とても優しい人もいる”

 

“集団に属すれば、

元気付けられたり、

勇気付けられたり、

して無条件に、

ココに居て良いと

思える時もある”

 

という認識に変えていくことで、

症状が軽減します。

 

段階的に、

“今日は意図的に近づいてみる”、

 

それができたら、

“今日は挨拶してみる”、

 

それが出来たら

“今日は話し掛けてみる”

 

など、少しずつ、時間かけて、

段階を踏んで、

 

思い込み;ビリーフは、

間違っているということを

 

再認識していく方法です。

 

どちらかの方法が優れている、

ということはありません。

 

どちらの方法論も、

成功実績があり、

 

軽快された当事者の方々から

喜びの声も聞かされています。

 

 

必要なのは、

あなた自身の

 

この“他人が怖い”

“集団に属することが怖い”

 

という課題に向き合うという

覚悟です。

 

心理セラピスト/カウンセラーは、

並走はしてくれますが、

 

あなたの代わりに

向き合ってくれることはありません。

 

あなたの勇気をお待ちしています。