近年、電車に乗れば
7人掛けの席を
観察してみると、
皆さん、LINEやら、
メールの返信やら、
オンラインゲームやら、
気になる
Webページのチェックやら、
ずっと画面を見つめている状態、
吊革を持って立っている人も
ほぼほぼもれなく
スマホを操作している/見ている状態
ですよね。
私達の日常生活において、
スマートホーンがあれば
大概の事は出来てしまいます。
便利になりました。
そして、
スマホで
Google、
Amazon、
You tubeで
情報を調べたら、
必ずお薦め商品や
動画が目につきやすい場所に、
広告が掲載されたりして、
改めて検索語彙を
入力する必要が
なくなってきました。
自分が知りたい情報を
何度か検索すれば、
検索サイトはその傾向を
学習してくれて、
ある方向性が定まった情報を
次々と紹介してくれます。
使用している人は、
その紹介された情報を使って、
さらに検索を進めていけば、
やがて不必要な情報は
表示されなくなりますよね。
使用者にとって、
検索サイトで自分が
欲しい情報を調べれば、
その傾向を学習してくれる
訳ですからこれほど便利な
ことはないと言えます。
そして、
人間にも生来、
これと同じ機能が
あることはご存知ですか!?
人間には、
RAS(ラス);
Reticular Activating Systemと
呼ばれる機能があって、
日本語では
網様体賦活系
(もうようたいふかつけい)
と呼ばれます。
脳幹内の網様体と
呼ばれる神経の束が、
関心のある事柄に対して
脳が情報を集める際に
鋭敏になる機能です。
平易な言葉で言い換えると、
人は数多ある情報の中から、
見たいと思うものを見て、
聞きたいと思うものを聞いて、
感じたいと思うものを感じる、
という機能です。
具体例でご紹介すれば、
子育てに関心があるお母さんは、
ネットサーフィンをしていても、
やはり子育てに関して
調べてしまうでしょうし、
その傾向を検索サイトが学習して、
さらに子育てに関する情報が
目に触れるでしょう。
コスメ/美容について
関心があれば、
百貨店1Fフロアや
有名ブランドの大きな看板を
目撃することが多くなると
思います。
聴覚情報についても、
全く同じことが言えます。
さて、
みなさんもきっと経験されたことが
ある検索サイトの機能や
人間本来持っている
RAS機能は、
とても人間にとって
便利な機能ですが、
この2つの機能が
使われて取捨選択された
情報が作り出す
世界観を全てである、
100%であると信じてしまうと、
非常に偏ってしまいます。
バランスが悪い状態です。
なぜなら、あなたの指向性
のみの情報ですから・・・。
人間が思い込みを
作る過程と全く同じで、
例えば、
“私は価値のない人間です”を
思わせるような
ちょっとした体験をしたら、
RAS機能は、
“価値がない”ことを
裏付けるための情報に
鋭敏になります。
そのことを皮切りに、
“周囲の人達に
雑に扱われる”と
感じる経験をして、
やっぱり最初に思った通り、
“私は価値がない人間”なんだと
思い込みを
強固にしてしまい、
その強固になってしまった
思い込みがRAS機能を使って、
さらに“私は価値がない人間”なんだ
という証拠情報を
視覚・聴覚・触覚を
使って探しだしてしまいます。
これが無限ループに入ってしまうと、
“私は価値がない人間”という
思い込みが信念に変わって、
背筋が曲がって、
両肩が前にせり出し、
いつもうつむき加減の姿勢
や
定まらない目線、
自信のなさが滲み出ていて、
小さな声やいつもネガティブで
自虐的な発言内容で、
ご自身に対する価値観に
なってしまいます。
ちょっとした体験が
信念・価値観になってしまい、
“私は価値のない人間”という
方向性の情報を
視覚的にも、
聴覚的にも、
感覚的にも、
集め続ける訳です。
意識的になっていないと、
自動的に取捨選択されて、
思い込みにとって
都合のいい情報/体験のみが
集まってきます。
そして、
この世の中に
生きているほとんどの人間は、
この偏った情報で
作り上げられた
世界に生きています。
この状態に気付かずに
生きているのが人間です。
片側の偏った情報でしか
判断していないのが人間です。
ですから、
人間関係でトラブルが起きる時は、
“自分は正しくて、相手は間違っている”と
なっていると思います。
少しだけでも、
受け入れる情報の幅を拡げれば、
つまりココロの世界で
よく言われる執着を手放せば、
少しは楽に生きられますよ。