
通勤電車の中では、
新聞を拡げて
読む人がいなくなり、
公衆電話に並ぶことなく、
携帯電話で
いつでも電話することが
出来て、PCを開かなくても、
手のひらでスマホを操作して、
動画やメールを送る事が
できるこの世の中、
本当に便利になりました。
スマホが
日本でサービスが始まったのが、
2004年、約20年が経ちました。
人類をより生産的にする
(便利にする)ための
技術発展が凄まじいものがあり、
だれも20年前に
今、世の中で起きていることを
予測できた人は、
だれもいなかったんだと思います。
スマホの登場が生産性という
観点から人に与えた
影響は計り知れないと思います。
スマホ以外にも、
高度な通信技術の
発展によって、
生産性と結果が
向上したことは
みなさんも体感されていると思います。

しかし、仕事に就いて、
働いている方々が
感じていることは、
・ 月曜日に会社に行くのがつらい
・ 会社に行くと呼吸が
浅くなり、息苦しい 、
吐き気がする
・ 夜、寝るときも仕事の
不安があってなかなか寝つけない
・ 休日も仕事のことを考えてしまい、
疲れがとれない
つまり、
現代は便利になったことは、
間違いありませんが、
多くの人がココロの
不調を抱えています。
適度なストレスは
人間にとって必要な物ですが、
過度なストレスが掛かり続けると、
ココロのバランスが取れなくなり、
精神疾患になってしまいます。
『厚生労働白書』によると、
「精神病を引き起こすような
ストレスがある」と回答した人が
2004年は5・0%でしたが、
2024年には15・6%となり、
3倍以上に増えています。
一方で「生活習慣病を引き起こす
生活習慣がある」と回答した人は、
2004年の55・9%から
2024年は36・4%に減少。
この20年間で
健康リスクに対する
人々の意識が、
からだからこころへと
少しずつ変化していることを
示しているといえます。

デジタル化など
技術の進歩は、
本来、人々に時間の
余裕をもたらし、
幸せを運んでくれるはずでした。
しかしそれとは裏腹に現実は、
時間に追われる日々です。
かつては
パソコンが立ち上がるまでに
2~3分かかっていたのに、
今は30秒でも時間を
とられると
イライラしてしまうものです。
スマホやパソコンで動画を
見るときには、倍速にするという
人も多いでしょう。
SNSの普及による
影響も見逃せません。
つい
他人と自分を
比較してしまったり、
承認欲求を
抑えられなかったり、
SNS上で
足の引っ張り合いをして、
誹謗中傷が
エスカレートしているような
場面も多く見られます。
本来は技術の進歩は
人間を幸福にするもののはずです。
しかし、
現実には
逆に幸福感が減っているように
思います。
なんでもすぐに結果を
求める風潮が強くなり、
じっくり物を考える
時間すら奪われています。
新型コロナ禍中でも、
オンラインで仕事・会議が
出来る技術進歩に
拍車がかかり、
遠隔でも問題なく仕事が
できるようになりました。
オンラインの急速な普及で、
在宅勤務が一般的になり、
在宅勤務によって
人間関係のストレスが減る
一方で、孤立・孤独感を
抱える人もいます。
仕事とプライベートの
境目がなくなって、休みなく
働いてしまうという人もいます。

タイムパフォーマンスが
優先され、
待てない人が増加した結果、
そのイライラがもたらす犯罪も
増加しているように感じます。
すぐに結果を求め、
安直にお金儲けをしようとして、
犯罪に巻き込まれる
といったこともあります
結果をすぐに求める
癖がついてしまうと、
「石の上にも三年」など
というのは絶対に無理、
ということになり、
じっくり物事に取り組む胆力が
失われているように思います。
人間には、
物事の判断基準として、
損する/得する、かで判断している
方々が多くいます。
その方々にとってみれば、
技術進歩が進んで、
本来、移動時間が
掛かっていたのが、
オンラインで代用できる(得した)
本来、移動交通費が
掛かっていたが、
オンラインで事が済んだ(得した)
本来、全体会議を開催すれば、
参加者の日当、交通費を
負担しなければならなかったのに、
オンラインで済んだ(得した)

意識を充てれば、
人間を豊かにする
(得をする)謳い文句で
研究された技術開発は、
ポジティブ方向に
捕えることが出来ますが、
その一方で、
あまりにも生産性と結果を
追い求めたゆえに、
人間を生産性と結果でしか
評価しない世の中になり、
過度なストレスをもたらして、
ココロの余裕まで
奪ってしまう場合もあり、
ネガティブ方向に
捕えることも出来ます。
日常生活を送っていれば、
必ず、善い面と悪い面が
両方ともに存在します。
どちらに、意識をあてるか、で
人間の
思考・感情・行動が変わります。
自らで選ぶことが出来ますよ。