
大阪・関西万博が始まりましたね。
開幕してすぐですから、
“入場までに
時間が掛かる”、
とか、
“退場までに
時間が掛かる”
など、
問題山積みで開幕しましたが、
開幕を決定するまでの
国会審議も
めちゃくちゃ難航して、
最後は強行採決されたのは、
ご存知ですか?
これは、
今回の万博会場の
隣接地に建設されることが
決まっている
IR(Integrated Resort)
;総合リゾート、
ショッピングモール、
高級ホテル、
国際会議場など、
の中にカジノができることが
問題視されていたからです。
国会では、
ギャンブル依存症を
全く理解していない議員達が
“ギャンブル対策基本法案”の
議論を進めていたことに、
私は腹が立っていたことを
覚えています。
このあたりの政治のお話を
書いてしまうと、
かなり長くなるので、
また別の機会に
お話しするとして、
本日は
ギャンブル依存症について、
お話したいと思います。

皆さんは
“ギャンブル依存症”と
聞くと、
どんなイメージを持っていますか?
最近ですと、
ロサンジェルス・ドジャーズ
大谷翔平選手が
アナハイム・エンジェルス時代、
通訳をやっていた
水原一平さんが
大谷選手名義の銀行口座から
巨額なお金を
不正送金していたことが
明るみに出て、
詳細を追究してみたところ、
水原一平さんが
ギャンブル依存症であったことで、
名称が有名になりました。
これ以外にも、
よしもと興業所属の
お笑い芸人が日本から
スマホを利用して、
海外のオンラインカジノで
賭博をやっていた、ということで、
番組降板が報道されました。
オンラインカジノは
海外で合法に運営されていても
日本から利用すれば違法ですが、
プロ野球選手らの関与も
明るみに出るなど
社会問題となっています。

“ギャンブル依存症は、
どうせ楽して金儲けたいと
思った道楽者に
罰が当たった”
とかで解釈されることが
多いですが、
“ギャンブル依存症は
進行性がある脳の病気です”、
まずこの段階から理解をしてください。
ギャンブル依存症は、
アルコールや薬物に比べて、
身体は瘦せこけないので、
見た目健康に見えるから、
周囲の人達は
だれも“病気”だとは
思わない見た目で、
厳しく“止めろ”、といった時は、
素直に聞き入れた
ふりをする。
しかし、
全く止める気配がなく、
身体も健康そうで、
さらなる借金を要求して、
返金要求を逃れるために
嘘に嘘を重ねて信頼を失う。
涙を流しながら、
土下座をして、
“二度とやりません”
といったとしても、
その1ヶ月後に再発してしまう、
やめよう、やめたい、と
思ってもやめられない病気、
それがギャンブル依存症です。

では、
ギャンブル依存症の人と
ギャンブル愛好家では、
なにが違うと思いますか?
これは、
私の友人の事例なのですが、
“新装開店があるから
行こうよ”
と誘われて、
当日、パチンコ店の列に
並びました。
そして、友人と一緒に
お店になだれ込んだのですが、
“今日は、
くぎが良くない、帰ろう!”と
言われました。
彼はパチプロのように、
パチンコによって
収入を得ていますので、
“帰ろう!”と言われた時は
少し驚きました。
この事例から
おわかり頂けると思いますが、
ギャンブル愛好家は、
自分自身で止めることができます。
いくら下馬評で、
“新装開店”だ
と言われていても、
勝算がない日は
(ギャンブルを)やらない、
選択ができる訳です。
ギャンブル依存症の人は、
パチンコ店に入店して、
パチンコ玉が
じゃらじゃら流れていく音、
やかましい程の
キラキラした電飾、
スロットが回転している
最中の音響効果
などを感じ取ると、
まだ打ち始めていない
にも関わらず、
脳では興奮が始まります。
すでに、脳内では、
大当たりになった時と
同じ興奮状態になる訳です。

ギャンブル依存症の方々に
よく見られるのが、
予算・時間を決めない、
勝ったら「次に使おう」という、
負けたら「すぐに取り返す」と思う、
ギャンブルをしている
ことを隠す、嘘をつく、
といったもので、
子供のために
貯めていた貯金、
家族旅行に行くために
貯めていたお金を
ギャンブルで使ってしまって、
一家離散した、
会社のお金を横領して
ギャンブルにつぎ込み、
懲戒解雇処分になった、
ギャンブル依存によって、
子供、家族、友人、職業、
社会的信用すべて失ってしまい、
はやく借金を返すために
闇バイトに手を出してしまい、
一生を棒に振ってしまった。
借金の取り立てが厳しくて、
精神的に参ってしまって、
最終的に自死を選んでしまった。
これら全て
他人事ではありません。
配偶者の死別・離別、
新天地でのプレッシャー、
子育て・ママ友付き合い
人間関係の疲労など
常々感じている
不安・恐怖からギャンブルを
やっている時だけ
開放されるので、
依存状態になっていく訳です。
少しでもギャンブル依存症について、
社会で理解されることが、
当事者が回復に
向かうために、
重要であると思います。