自立とは、依存先を増やすこと

私は民間資格として、

 

NADAI

(全米アルコール・

薬物インタベーション協会)

 

作成した、

依存症専門カウンセラー

 

育成プログラムを履修して、

資格をもっています。

 

最初は、

 

“なぜ、ダメだと

理解しているのに、

 

依存行為を

繰り返してしまうのか!?”

 

という人間のココロの動きに、

興味関心がありました。

 

例えば、

 

違法薬物(覚醒剤・大麻)で

いえば、何度も同じ人が

 

所持・使用の罪で

逮捕されたり、

 

ギャンブルで言えば、

パチンコ・パチスロに

 

依存状態である人が

最も日本では多くて、

 

特徴としては、

寝てる時間以外、

 

ずっとギャンブル対象のことを

考えています。

 

資金が無くなって、

複数社のクレジットカードを

 

作成してキャッシングしてみたり、

さらに、

 

金利が高いサラ金や

闇金にまで借金をして、

 

ギャンブルをやり続ける訳です。

 

依存症と言われる方々は、

“やってはダメだ、と

 

わかっているけど、

止められない”

 

という方々です。

 

何度も、

このブログで発信していますが、

 

依存症は進行性を持った

脳の病気です。

 

めくるめく快感を求めて、

もしくは道楽をして、

 

依存状態になった訳

ではありません。

 

だから、依存症当事者には、

誹謗中傷、罵詈雑言、

 

批判や刑罰ではなく、

病気なので治療が必要です。

 

依存対象に

依存状態になったのは、

 

決して快感を求めてた訳ではなく、

如何様にも自己解決できない

 

辛さ・苦しさに

巻き込まれている時、

 

その辛さ・苦しさを忘れるために

依存対象をやってしまうこと

 

繰り返して、

やがて依存症になっていく訳です。

 

まず、日本では、

この基本的な依存症に

 

対する理解が拡散されることが

第一歩であると思います。

 

そして、依存症の方々

回復しようと覚悟を決めた時、

 

近くにいる支援者達が

理解しておかなければ

 

ならないことがあります。

 

 

まず、

依存症が

完治することはありません。

 

寛解といって、

症状は持っているけど、

 

穏やかでいられる状態を

続けるしかない。

 

つまり、死ぬまで

毎日止め続ける意思を

 

持ち続けなければならない、

というものです。

 

次に、

 

依存症当事者の方々が

回復段階で、

 

どのような時に、

辛い・苦しいと感じるのか、

 

これがあらかじめ解かれば、

再発を極限まで

 

減少させることができます。

 

これが

 

HHungry(空腹)、

AAngry(怒り)、

LLonely(孤独)

TTired(疲労)

 

で頭文字をとって、

HALT(ハルト)といいます。

 

確かに、当事者じゃなくても、

このHALTの状態になれば、

 

冷静ではなくなり、

理知的に

 

判断出来なくなってくると

思います。

 

もともと人間が持っている

動物的な要素が

 

全面に出てきて、

不安と恐怖を

 

MAX感じている状態で、

近くに支えてくれる人

 

がいなければ、

上記でもお示ししたように、

 

その辛い・苦しい状況が

受け入れられず、

 

誤魔化すために、

依存対象に

 

のめり込んでいく訳です。


このように、

依存症になっていく段階を

 

説明しても、全く理解の姿勢を

示してくれない方々が多い、

 

というのも事実です。

 

ただ、

少し思いを巡らせて

 

頂きたいのですが、

“誰にも頼らず、依存せずに、

 

私は一人で、単独で、

自立して生きていくんだ”

 

という方はいらっしゃるでしょうか?

 

誰しもが、

 

どなたかが作ってくれた

家に住み、

 

どなたかが編んでくれた

洋服を着て、

 

どなたかが作ってくれた

食べ物を食べている、

 

全く誰にも依存せずに、

自立することは不可能です。

 

皆さん、

何かしらに依存していると思います。

 

その依存対象が

 

身体に有害なのか、

無害なのか、

 

法律で禁止されているものなのか、

そうでないのか、

 

です。

 

 

東京大学先端科学

技術研究センター准教授 

熊谷 晋一郎先生は、

 

小さい頃、

脳性麻痺に罹って、

 

手足が不自由で、

様々な人やものに

 

依存しなければ、

生きていけない状況だった方が

 

残された言葉が印象的でした。

 

“自立するとは、

依存することを

 

やらないのではなく、

依存先を増やすこと”、

 

つまり、周囲を信じられずに、

全て自己解決しようと

 

するのではなく、

周囲の人達に助けを求める、

 

“社会は案外優しい場所だ”と

思える自分で居る、

 

ということです。

 

他人を、

社会をみるフィルター

 

が歪んでしまって、

不安・恐怖を感じることもあるし、

 

歪んでいたお陰で、

救われることだったあります。

 

 

両側面を認めていくことが、

依存状態から抜けていく

第一歩です。