変容の逆説理論

皆さんは、

何か組織や会社に

所属した時に、

 

“一番になってやる”とか、

“有名になってやる”、

“一番強くなってやる”

 

とか、思ったことありませんか?

 

私の事例を通して、

ご説明したいと思います。

 

学生時代のアルバイト先で、

深夜シフト

 

22時~翌7時)で、

大阪の繁華街の

 

ファーストフード店で

働いていました。

 

そのお店は、

そのファーストフードグループで

 

日本一の売り上げを誇るお店で、

アルバイトでも社員と

 

同じぐらいのレベルを

求められる繁盛店でした。

 

このアルバイトの内容は、

 

調理したり、

接客したり、

資材搬入したり、

 

閉店後、

徹底的に掃除したり、

 

とあるのですが、

深夜シフトは

 

大学生以上しかいないので、

仕事内容にえり好みせず、

 

全部できるように

教育されていました。

 

 

働く機会が多くなってくると、

 

調理分野、

接客分野、

 

掃除分野、

裏方分野、

 

どの分野にも正確無比で、

凄いスピードで仕事を

 

こなせる

昼間シフトアルバイトの方々に

 

出会いました。

 

 

 

その時に、私の中では、

 

“この日本一のお店で、

有名になってやろう”

 

“彼らが、あのレベルでやって、

周囲のアルバイトから

レジェンドとして

賞賛されるのであれば、

もっとすごいレベルに

到達してやる”

 

と、若気の至りで、

とっても尖がっていましたので、

 

目立ちたい、

名前を売りたい、

 

という欲望がありました。

 

 

この行動を

下支えしているのは、

 

承認欲求とか、

自己顕示欲と

 

呼ばれるものです。

 

そして、就職をして、

最初3年間、

 

営業で全く成果が出せず、

入社4年目に

 

心臓不整脈治療に

関するデバイス・

 

機器の販売・

マーケティング、

 

啓蒙教育に関わりました。

 

心臓不整脈という分野は、

先生方のあいだでも、

 

相当マニアな世界で、

当時はまだ革新的な術法が

 

発見されていなかったので、

不整脈専門医になる

 

医師は珍しかったです。

 

 

ところが、

1998年を境に、

 

画期的な術法が考案されて、

今までに完治は不可能だと

 

考えられていた心房細動という

不整脈の根治が可能になって、

 

心臓不整脈分野は、

専門医の数は増えたし、

 

さらなる高みを目指して

異業種新規メーカー参入が

 

相次ぎました。

 

さらに、この界隈では、

巨額の投資が行われ、

 

MAやヘッドハンティングなど、

日常茶飯事になっていきました

 

 

そんな心臓不整脈界隈で、

私は比較的古くから

 

不整脈治療に関わっていたので、

業界では有名人でしたが、

 

“有名になってやる”

“一番になってやる”

“目立ってやる”

 

と思って努力していたと

思います。

 

とりわけ、

心臓不整脈界隈で、

 

少ないですが

有名人は居ましたが、

 

差別化するためにも、

誰もまだ開拓していない分野、

 

学術営業という分野を

切り開きました。

 

当時、製薬会社では、

既に存在していたのですが、

 

医療機器の分野で、

 

 

術場での学術的サポート、

学会発表用資料作り、

海外医学論文雑誌への

投稿手伝い、

 

 

などを行い、

その部分での付加価値を

 

顧客に見出してもらって、

選んでもらう、

 

というストーリーを描いていました。

 

今、思えば、この行動を

下支えしていたのも、

 

承認欲求とか、

自己顕示欲だったと思います。

 

 

ところが、思い描いたように

進まないケースがありました。

 

 

業界内では、

 

情報の収集能力、

学術的な貢献度、

海外学会でも英語の

サポートなど、

 

どれも学術営業分野で

達しているレベルでは、

 

誰にも負けない

自負がありました。

 

 

でも、負けてしまうケースがあり、

よく分析をしてみると、

 

学術情報ではなく、

それ以外のところに

 

付加価値を感じる顧客

(助成金・研究費、

コンサルタント契約、

社外取締役抜擢)

 

では、全くといって良いほど、

歯が立たない状況でした。

 

学術営業でなく、

資金提供でなく、

 

権威付けでもなく、

勝ち続けている競合他社の

 

営業員が居て、

彼らをよく分析してみると、

 

共通点があると感じました。

 

 

その共通点とは、

 

 

“他人と比較して、

自分が劣っていると認識して、

何者かになろうとしていない”

 

という点です。

 

上記の私の事例では、

2つとも、周囲の人と比較して、

 

〇△✖が足りていないから、

何者かにならないと

 

(でないと、周囲の人から

承認されない)

 

という事例でした。

 

これに対して、

勝ち続けている人達は、

 

特に飾らず、

ご自身の欠点もさらけ出して、

 

ただただ、愚直に、

一生懸命に働いている

 

人達でした。

 

聞けば、その方々も、

過去、何者かになろうとして、

 

死に物狂いの

努力をしたそうです。

 

何者にもなれなかったんだそうです。

 

それから、自分がダメだ、

良くない、苦手だ、と

思っていた部分を

受け入れていったそうです。


“〇△✖ってあるけど、

れも自分だし、

それでいい”って

 

 

 

ココロの世界では、

このような工程を

 

“変容の逆説理論”

と呼ばれます。

 

人が変わろうと

努力するのでなくて、

 

そのままの自分を

受け入れることで

 

変容が起こるというもの、

自己否定せずに、

 

ありのままの自分を認めることです。