影響力を持つということ

私は30代前半の頃、

いわゆる戦略系コンサル、

 

マッキンゼーアンドカンパニー

ボストンコンサルティングの

 

存在を知って、

マッキンゼー日本支社長で

 

あった大前研一さんの

本を切っ掛けに、

 

有名コンサルタントの本を

よく読んでいました。

 

 

活躍しているコンサルタントの

日常を聞いてみると、

 

30歳代で会社経営に

参画出来て、

 

業界の勢力分布図さえも

変革してしまう活躍で、

 

収入も30歳代では

考えられないほど高額の報酬が

 

支払われていました。

 

戦略系コンサルタント

業界地図を

 

観察して、

折しもブームであった

 

海外MBA

 

Master of Business

Administration

経営学修士)の

 

取得を考えて、

各大学のMBA取得難易度、

 

受験レベル、

海外渡航のことについて、

 

いろいろと調べていました。

 

 

 

当時は、

ちょうど、海外大学の

 

MBA取得がオンラインで

出来るようになってきたことで、

 

日本の大学院でも、

働きながらMBA

 

取得出来るコースが徐々に、

設置されてきた頃で、

 

学生時代に留学

出来なかったサラリーマン達が

 

“箔がつく”

“承認欲求を満たせる”

“自己顕示欲を満たせる”、

 

そして雇用主の会社も、

従業員の向上心を

 

応援・補助する社内規則が

整備されていったと

 

記憶しています。

 

その当時、

私は、

 

海外大学MBAを取得後、

なにを得たかったのか?

 

 

当時は、

かなり尖がっていたので、

抽象的に

 

“有名になって、

影響力を持ちたかった”

 

など、思っていました。

 

 

その有名である、

影響力を持っている、

 

という要因を

 

海外大学MBA取得に

求めたかった訳です。

 

 

でも、15年以上かかりましたが、

この考え方は、

 

間違っていることに気付きました。

 

まずそれは、

周囲もしくは

 

世界的に圧倒的な影響力を

持っている人達を

 

よく観察していると、

共通している部分がありました。

 

 

影響力を持って、

世界史に残るルールを

新しく作った人達

 

 

既存にあったルールを

書き換えた人達の歴史

 

 

海外大学MBA取得は、

1990年代では、

 

一時期、

凄く相関性があった時が

ありましたが、

 

その後、相関性は

薄れていったと思います。

 

 

影響力を持って、

世の中のルールを

 

変えていった人達は、

一般的な人達と比較して、

 

様々な部分で特異性が

取り出されて、

 

伝記本として

出版されたりもしています。

 

例えば、

 

“影響力を持っている人は、

挑戦した数が多く、

失敗の数も多い。

 

失敗して落ち込むのではなく、

その挑戦した経験から

何かを学んでいる”

 

とか、

 

“影響力を持っている人は、

好奇心旺盛で、

損得勘定抜きに行動して、

 

奇想天外の発想で

周囲の人達から好奇の目で

見られるが諦めない”

 

など、影響力を持って、

成功した人達の特徴を

 

紹介されていますが、

 

今回は、全く別の視点から

 

お話したいと思います。

 

 

実際に、存在した人を

例にお話しした方が

 

わかりやすいと思いますので、

2名ほど、ピックアップして

 

ご説明したいと思います。

 

一人目は、

現一万円札の肖像として、

 

採用されている

渋沢栄一です。

 

 

業績としては、

 

みずほ銀行や

東京商工会議所、

東京証券取引所

 

などを設置し、

500社の経営に関わって、

 

「日本資本主義の父」

呼ばれました。

 

それと、同時に、

医療事業では、

 

東京慈恵会、

聖路加国際病院、

 

育事業では、

 

一橋大学、

東京経済大学、

高千穂大学、

拓殖大学

 

などを設立して、

人材育成にも

 

尽力されました。

 

 

ここまでの業績を見てみると、

凄い影響力を持って、

 

日本という国の

近代化に尽力したと言う事で、

 

1万円の肖像に選ばれることに、

全く疑問がないと思いますが、

 

その反面で、

 

結婚した2名以外に、

50人ともいわれる

 

“おめかけ”:妻のある男が、

妻以外の女性と関係を持ち、

その女性を囲うこと”

 

がいて、その間に17名の

子供達がいた

 

資料が残っています。

 

 

当時の風習があったのは、

理解出来ますが、

 

令和の世で、

めかけを囲って、

 

17人子供がいるとなると、

いくら凄い業績があったとしても、

 

人道的に疑問を

持ってしまいます。

 

二人目は、

35代アメリカ合衆国大統領 

ジョン・F・ケネディで、

 

核戦争寸前まで

世界を導いてしまった

キューバ危機を

回避する交渉、

 

アポロ計画の実行、

人種差別問題への取り組み

 

など、

政治への取り組み、

 

リーダーシップ、

カリスマ性、

 

凄まじい影響力が

評価されて、

 

いまでも、

ニューヨークロングアイランド島の

 

空港名は、

彼の名前を冠している

 

JFK国際空港として

だれもが知っています。

 

その反面、

 

選挙不正やマフィアとの癒着、

ベトナム戦争拡大、

ラテンアメリカへの政治的干渉、

複数の不倫などの

 

事実があったことは、

今の残されている

 

資料でも確認できます。

 

今回2人、

ピックアップしましたが

 

影響力を持って、

世界史に残るルールを

 

新しく作った人達、

既存にあったルールを

 

書き換えた人は、

輝かしい業績を全面に紹介され、

 

公序良俗に反する話題は

報道されません。

 

だから、

輝かしい業績しか知らない人は、

 

その情報に基づいて

、認識をして、影響力を持つために、

 

模倣するかもしれません。

 

しかし、実際は、

公序良俗に反する部分も

 

持っていることが至って

必然なわけです。

 

決して、成人君主、清廉潔白では、

人に対する影響力を

 

十分には持てません。

 

影響力を持つと言う事は、

綺麗事だけでは

 

済まされないということです。

 

 

光(陽)と影(陰)、

両方ともにあるのが、人間だから。