
皆さんは“陰陽玉”を
みたことありますか?
意識していないだけで、
きっと、どこかで見かけたこと
あると思いますよ。
白黒の勾玉(まねがま)で
、陰陽を表す模様が
描かれている勾玉のことです。
具体的には、
白い勾玉には黒円、
黒い勾玉には白円が描かれ、
これは陽の中にも陰があり、
陰の中にも陽がある、
つまり100%陽や100%陰
というものはないという
考え方を表しています。
そして、
白(光)の時間、
体験、価値観、感情、
思考、行動は、
ごろんごろんと、
黒(影)の時間、
体験、価値観、感情、
思考、行動へと
変化し、そして
またさらにごろんと変化して、
一定ではないということです。
少し抽象的な表現が
続きましたので、
事例を使って
お話したいと思います。

例えば、
白(光)が
強い業界;芸能界を
例にとってみれば、
10代後半から20代前半で、
芸能プロダクションからの
スカウトやオーディションを
切っ掛けに、
100%事務所の力で、
映画の主演やドラマの
主役に抜擢、
あっという間に、
人気、地位、名声、収入を
得て、注目の的になる。
しかし、
カメラが回っていない所では、
“この実績は私のおかげ”
"私が綺麗だから
抜擢されて当然”
人間性が疑われるような
素行不良が露わになって、
写真週刊誌でスクープされると、
SNS上でバズりまくって、
炎上されたことで
さらに名前が売れて
有名になっていく。
その間に、
恋愛報道や不倫報道、
飲酒泥酔トラブルや
違法薬物使用疑惑など、
さらに注目される要因があれば、
妖艶な魅力も伴って、
人気者の独壇場に
ただ、そんな中でも、
抜擢された映画や
ドラマの演技でも、
様々な場面で
実体験として経験をしてきたので、
見るものが共感する
“人間”というものを見事に
演じて、そしてまたスターダムに
駆け上がる・・・。

大衆を魅了する
俳優・歌手・タレント・芸人は、
よく観察してみると、
絵に描いたように、
上述なストーリーを我々、
大衆に見せてくれます。
光から影そしてまた光へ、
そしてだんだんと
両極の振れ幅が
大きくなっていきます。
つまり、周囲の人達に対して、
どんどん影響力を
増していきます。
そして、
よく見られるのが、
この振れ幅があまりに辛すぎて、
耐えられずに、
暴力事件、
違法薬物使用、
奇行に走ったりして、
道を踏み外すこともありますよね。
我々、
一般大衆にも、
個々人が判断していますが、
白(光)の時間と
黒(影)の時間が
ありますよね。
やる事、成すこと、全て大当たりで、
周囲の方々からも注目されて、
承認欲求が満たされている、
プライベートでも、
大切な人との
充実した時間を過ごすことが
出来て、満足している
時間ありますよね。
逆に、
やる事、成すこと、全て裏目に
出てしまった、
天中殺だ、大凶だといったり、
人間関係が全くうまくいかずに、
怒り、嫉妬、嫌悪感を
色濃く持ってしまい、
周囲の人達と比較しては
落ち込んでしまう
時間ありますよね。

この黒(影)の時間は、
人間にとって、
とても耐え難く、
辛く、苦しい時間なのです。
ですから、自然な流れとして、
お酒で泥酔してみたり、
やさしく接してくれる
異性に走ってしまったり、
ドカ食いして、
自分自身を麻痺させて、
耐えがたい時間を
過ごしているのが
現代社会に生きている
人達だと思います。
平たく言えば、
黒(影)の時間は、
嫌なので、自分自身を麻痺させて、
起きることを強引に受け入れている
ふりをしている。
もっと
端的に言えば、
黒(影)の時間を
受け入れることを怖れている、
人によってはお金をかけて、
回避している人さえいます。
ただ、
今回、申し上げたいのは、
黒(影)の時間を
怖れるのではなく、
本当に恐れるべきは、
白(光)の時間で
あるということです。
たしかに、白(光)の時間は、
自分が持っている欲求、欲望が
どんどん実現していく訳ですから、
最初は満足感、充足感がある、
しかし、
人間の持っている
欲望は、際限がないので、
さらなる高みを設定して、
傍若無人に、
エゴイスティックになっていく、
気が付けば、
あれだけ持てはやしてくれた
周囲にいた人達は、
誰もいなくなり、
孤独感を感じている人
見たことありませんか?

これは、
南アフリカ共和国
第8代大統領
ネルソン・マンデラ氏が
“我々が最も恐れるもの、
それは我々の光であって、
闇ではない”
と全く同じ事を言っています。
歴史上の偉人達も
同じ認識であった人が
多いと思います。
簡単に略歴を紹介すれば、
若くして、
反アパルトヘイト
(人種隔離政策)運動に
参加して、国家反逆罪で、
27年間投獄されていた、
政治家であり、
弁護士である方です。
略歴を見て頂いても、
白(光)から
黒(影)そして
白(光)と
行動した結果、
一国の大統領まで
登りつめ、
世界に影響を与えた人です。
冒頭の陰陽に言葉を戻すと、
人間が幸せを感じて、
自分が主人公の人生を歩むには、
陰は受け入れて味わい、
陽は怖れるべきもの、
ということです。