仲間達の力

皆さんは何か継続して、

長年、

続けていることはありますか?

 

 

一度、始めると長く続く方ですか、

 

それとも、

 

早い段階で見切りを

つけて止めてしまう方ですか?

 

 

 

 

私はサラリーマン時代に、

業務で使うので、

 

“英語”を約15年間、

週末2時間

みっちり続けられました。

 

 

 

 

 

英語は業務に使っていたし、

上達すれば、

 

明らかに海外出張に

行った時の成果が違うし、

 

反復する機会が多くあったので、

続けられました。

 

 

 

 

やはり、

何かをずっと続けるには、

 

その対象が凄く興味深い、

好き、楽しい、ワクワクする、

 

があると

続けやすくなりますよね。

 

 

 

皆さんにも

経験があるん

じゃないでしょうか?

 

 

ひとりぼっちで、

 

あるタスク

(ダイエット、ジョギング、

ジム、早起き、など)を

 

やろうとした時に、

やらないといけないことは

 

理解しているのに、

なんとなく先延ばしにして、

 

結局、

やらなくなってしまった

経験ありませんか?

 

続けているうちに、

マンネリ化してしまって、

 

始めた頃の“熱”を

持った気持ちではなくなり、

 

そもそも

全く乗り気ではないけど、

 

続けないといけない

状況に追い込まれた時、

 

一緒に並走してくれる

“仲間達”がいると、

 

断然、続けやすくなります。

 

 

 

 

私は、

以前にも紹介させて

 

頂きましたが、

NADAI

 

(全米アルコール・

薬物依存症

インタベーション協会)で

 

 

依存症専門の

心理カウンセラーの資格を

持っています。

 

 

それで、

 

主要な依存症;

アルコール、薬物、

 

ギャンブルの当事者が

回復する過程で、

 

この仲間達の力を

利用して、

 

依存した対象を

“止め”続ける確率を

 

高めています。

 

 

 

そして、

この“仲間達の力”を

 

使って、

薬物依存の障壁に

 

挑んだ実験があるので、

ご紹介します。

 

 

 

 

これは、

 

カナダ:サイモンフレイザー大学 

ブルース・アレキサンダー教授

グループ

 

1980年に発表した実験で、

 

“ねずみの楽園;

ラットパーク”

 

名付けられていて、

その界隈では、

 

とても有名な実験です。

 

 

実験の手順は、

 

 

ネズミを2つのグループに分けて、

 

A群(16匹)は

鉄で出来た狭い檻の中

入れられて、

 

 

B群(16匹)は

おがくず・木のチップが

敷き詰められた広場

放し飼い、

 

 

両群には、

 

 

普通の水

モルヒネ(麻薬)と

シロップ混ぜた水

 

(モルヒネだけでは苦くて

実験結果に支障が

 

出ることが

予想されたため)が

 

 

与えられて、

57日間

 

経過観察されました。

 

 

※モルヒネは

強力な鎮痛剤で、

ひどくお酒に酔った

状態になります

 

 

 

A群のねずみ達は、

同士の交流が

 

一切されない状態で、

普通の水は

 

ほとんど消費されることなく、

もっぱらモルヒネ水のみが

 

消費されました。

 

 

B群は、

広いスペースに放し飼いで、

 

同士の交流が可能であり、

遊び道具も

 

好きなだけ使えるし、

安全が

 

感じられるので中には、

交尾を始める

 

つがいもいました。

 

そして、

 

B群では、

好んで普通の水が

 

消費されました。

 

次の段階として、

A群のモルヒネ水に

 

シロップ混入を止めて、

凄く苦い状態で

 

提供してみました。

 

 

それでも、

A群のネズミは、

 

普通の水は飲まずに、

苦いモルヒネ水を

 

消費し続けました。

 

 

 

そして、

最後の段階で、

 

A群のネズミ

(モルヒネ水を

飲み続けた)1匹を、

 

 

B群が放し飼いに

されている広場に

放ちました。

 

 

数日間は、

薬物の離脱症状で

 

大量の汗や身体の震えが

止まらなかったようですが、

 

だんだんとB群のねずみ達の

仲間に溶け込んでいき、

 

最終的には、

A群ネズミは一切、

 

モルヒネ水を飲まないでも

大丈夫になりました。

 

 

 

これはネズミを用いた

実験ですが、

 

我々、

人間に教えてくれていること

 

があると思います。

 

 

それは、

 

 

 

辛く、苦しい状況を

耐え抜くには、

何かしらの

依存対象が必要で、

それを用いて、

感覚を麻痺させている

 

 

 

 

依存症は、

快楽を求めてなるのではなく、

辛さ・苦しさからの

回避行動でなっていく

 

 

 

依存状態で

完治が見込めなくても、

仲間の力で

止めさせ続けることが出来る

 

 

 

この仲間達の力を使って、

モルヒネ水を飲まない状態を

 

継続させた訳で、

このメカニズムは人間にも

 

十分に応用されています。

 

回復グループの

ミーティングと呼ばれる場で、

 

当事者が1/週、

集まって、

 

自分が

 

辛く・苦しかった時のことを

その場に参加した人達に

 

話すというものです。

 

グループメンバーが

お互いを理解出来て、

 

安心でき、

居場所ができることで、

 

お互いのココロの支えに

なっていく。

 

寛解:止め続ける状態を

続けられるという訳です。

 

 

目標が同じ仲間達で

実行できると、

 

達成できる可能性が

高くなりますよ。