
心理カウンセリングに
関わらせて頂くと、
“感情”について、
様々なご質問を頂きます。
そして、
課題ど真ん中の
クライアント様は、
『感情なんていらない』
『感情を感じたくない』
という言葉を使われます。
誰かに傷つけられたとき、
報われない想いに
苦しんだとき、
どうしようもない孤独に
飲まれたとき、
心の中に
わきあがる感情が
まるで“毒”のように
感じられることが
ありますよね。
苦しいとき、
心が張り裂けそうなとき、
人は“感じること”すら
つらくなります。
だから
「感情なんていらない」と
思ってしまうのは、
決しておかしなことでは
ありません。
それは、
あなたのココロが限界を
超えるくらい
がんばってきた証です。
ですので、
今日は感情について、
少しお話したいと思います。
感情について、
理解を深めて、
上手にお付き合いできる様に、
感情に関する
原則をお伝えします。

原則①:
感情機能は不可欠
原始以来、人間は、
社会性の動物であったので、
感情機能は
不可欠なものであったと
思います。
集団を作って、
互いに補い合って、
当時はまだ言語が
発達していないから、
隣の人が
どういう状態なのか、
感情機能を使って
察知していました。
ですから、
皆さんが経験するとすれば、
他人の感情に
共感する、
同感する
ことが出来て、
当事者ではないのに、
まるで当事者の如く、
身体が熱くなったり、
涙が出てきたり、
当事者と同じく“熱”を
持ったりすることが
出来る能力があります。

原則②:
感情機能は上げたり
下げたりできる
そして、この感情機能は、
使っている
人間の意識によって、
レベルを
あげたり、
さげたり
することが出来ます。
感情機能の
レベルをあげると、
上述したクライアントの
ような症状に
悩まされることがあると思います。
感情感度あげると、
怒りや悲しみ、
寂しさなどの感情に
圧倒され、
身体の筋肉の動き、思考は、
感情の渦に
巻き込まれてしまって、
思っても見ない方向に
進んでしまいます。
これが、
いわゆる“感情的になる”
という状態で、
理知的、論理的では
なくなってしまい、
短絡的で、粗暴的になり、
正常な判断が
出来なくなります。
感情感度を
下げてみると、
感情機能が
ほぼ作動していない
状態ですから、
特に、集団の中で
他人が何を考えているか、
わからないので、
集団の方向性をつかめずに、
見失ってしまいます。
共感も、同感も
していないから当然です。
しかし、感情機能が
作動していないので、
孤独でいるかもしれませんが、
感情に振り回されることは
極端に少なくなります。
感情機能を切り離すことで、
これ以上傷つかずに済む訳です。
感情機能レベルは、
上げ過ぎても、
下げ過ぎても、
生活に支障をきたします。
そして、上げ過ぎることも
下げ過ぎることも、
切っ掛けは、
ショックとなる出来事が
発端になり、
使っている人間の
意識によって、
偏りが出来ていきます。

原則③:
未完了の感情は
身体に溜まる
感情を感じた時に、
何らかの理由で
表現をしない選択をして、
ふたをしてしまうと、
身体に蓄積されていきます。
私のように、
感情を無視すると、
溜まった感情が原因で、
ココロや体が悲鳴をあげて、
原因不明の
病気になりました。
抑えすぎた感情は、
やがて別の形
(体調不良、不安、
不眠など)で
現れることがあります。
ですので、
溜めてしまっている
未完了の感情は、
誰にも迷惑が
掛からない状態で開放して、
表現してあげることが
大切です。

原則④:
感情を感じてあげると
レベルが下がる
未完了の感情を感じてあげると、
身体への悪影響が無くなります。
例えば、
怒りの感情を感じて、
表現すれば、
肩こり、背中痛、
腰痛、肝機能などが
緩和されますし、
悲しみの感情を感じて、
表現すれば、泣くことで、
副交感神経が優位になり、
身体がリラックスした
状態になります。
また、涙には苦痛を
和らげるエンドルフィンも
含まれており、
心身の疲労を回復する
効果も期待できます。
感情は感じてあげれば、
終わっていきますよ。
感情と上手に
お付き合いできれば、
あなたの人生に彩りが
出来て、豊かになり、
幸せを感じられる
時間が長くなると思います。