
前号(よくやっている投影 前編)で
人間関係の中で起きる
投影(とうえい)について、
特徴
①抑圧(禁止・封印)
していることの投影
と
②過去の親兄弟姉妹を
投影
をお話しました。
今号は後編になります
③ かつての自分を投影
自分は、学歴がなかったことで、
すごく恥をかいた、損をした、
劣等感を持った経験から
自分の子供には
英才教育をして、
子供の進学には
過干渉であった、
とか、
自分は、
親から愛情をもって
育てられた記憶がないので、
自分の子供や
目の前の子供を
愛情いっぱいに接して、
溺愛して甘やかしすぎて
依存体質にしてしまった、
とか、
自分が精神的にも、
肉体的にも、
多く傷つけられてきたから、
精神的、肉体的に
傷つけられている
子供達や大人達を
救済するボランティア活動に
参加してみたり、
ニュースで
その類のニュースが
流れてくると、
加害者に対して、
怒りが収まらない、
とかの
投影があります。
過去の自分自身
(かつて自分自身では
どうしようもなかった体験)を
今の自分自身が
救済する図式です。

④ 他人から投影される
私の体験で言えば、
DV夫を投影されて
ある女性と話すまでに
時間が掛かった、
とか、
酔っ払って、
夜中に大声で
怒鳴られた父親を
投影されて、
目を見てコミュニケーションが
取れなかった、
とか、
経験があります。
女性の
心理カウンセラー仲間では、
なんでも受け止めてくれる
母性豊かな母親を
投影されて、
メンタルが不安定になると、
抱きしめてもらって、
自分が経験出来なかった
安心・安全、温かさ、
人と人のつながり、
自己肯定感を
再構築する過程を
お手伝いされていた
人がいました。

自分自身を
内観することを出来る人は、
自分の内側に
何が起きているのか、
認識することに苦労しない、
と思いますが、
そうではない方々に関しては、
目の前の他人に
映し出される
“投影”が起きると、
自分の内側を知るための
貴重な情報になります。
人によって、
投影する情報が違うので、
現実世界の見え方は、
人それぞれになり、
本人のココロが現れます。
投影していることに
気付いたら、
投影している対象者ではなく、
投影を起こしている
自分自身の内側で
どんな事がおきているのか、
どんなイメージが
思い浮かぶのか、
気付くチャンスです。
投影は、
自分のココロを守るための
防衛機制ですので、
どのような存在を
投影しているのか、
理解できれば、
自分を癒す
切っ掛けになります。

外側ではなく、
自分の内側に意識を向けて、
自分の投影の仕組みが
理解できると世の中が
違って見えます。
自分の投影を
理解した前提で、
辛かったことや苦しかったことを
傍観してみれるようになれば、
なぜ“投影”が起きたのか、
が理解出来るようになり、
以降、ココロが揺らされること
が少なくなると思います。
対人関係のコミュニケーションで、
日常的に投影は起きていますので、
少し意識を向けて、
理解出来るようになると、
ココロが軽くなりますよ。