
書店の心理書コーナーに
立ち寄れば、
必ず置いてあるのが
愛着障害を取り扱った
読み物です。
そして、最近、
たまに報道される
幼児虐待、
育児放棄、
ネグレクト
なども
同じく愛着の問題だ
と言えます。
今日は、愛着障害が
人のココロの及ぼす
影響について、
お話します。
最初に、愛着障害とは何か、
について、ご説明します。
※愛着障害とは、
幼少期に養育者との間で
愛着形成がうまく行われず、
情緒や対人関係に
問題が生じる状態です。
主な原因は
虐待やネグレクト、
両親の離婚などです。
特徴としては、
過度に人を恐れたり、
誰にでも馴れ馴れしく接したり、
自己肯定感が低かったり、
依存的な傾向が
あるなどがあります。

そして、
愛着障害が人間に
及ぼす影響は、
対人関係
(他人に近づけない、
他人を信用できない、
集団に属せない)、
自己肯定感が低い
(甘えられない、
弱音を吐けない、
他人を頼れない)
他人への依存心が強い、
感情のコントロールが難しく、
気分が不安定になる、
他人への不信感、
見捨てられ不安が
強いので、
お金、地位、立場、物品など、
目に見えるもの、
手で触れられるもの
のみを執拗に追い求め、
愛情を確認する
材料にしてしまい、
社会生活の困難が
予測されます
幼児期の親(特に母親)との
スキンシップが大変重要で、
乳幼児期の子供は、
養育者との間に
心理的な結びつきを形成し、
安心感や信頼感を
育みます。

これは、
子供の成長や発達に
重要な役割を果たし、
子供の情緒安定や
基本的信頼感、
社会性、意欲など、
心の成長・発達の
土台となります。
この母子間の
スキンシップによって、
安らぎや
幸福感のホルモンと
呼ばれる
オキシトシンが
正常に分泌され、
ストレス軽減や
心身の健康維持に
役立つと考えられています。
仮に、
母子間のスキンシップが
うまく取れなかったら、
どうなるのか、
令和の現在では
実験出来ませんが、
過去に貴重な実験が
2件行われましたので、
ご紹介します。

13世紀頃
神聖ローマ帝国
フリードリヒ2世の実験:
当時のヨーロッパでは、
捨て子が多く、
修道士が修道院に
引き取って育てていました、
50人の新生児に
“目を見てはいけない”
“笑いかけてはいけない”
“話しかけてはいけない”
“ミルクを与える”
“お風呂に入れる”
“排泄の処理をする”
衣食住のお世話は
最小限に行う
結果、3歳までに
49人が死亡、
最後の1人は6歳で死亡
結論:スキンシップと
言葉掛けが命を育む

1944年
アメリカでも同じような
実験が敢行:
40人の新生児を
A群20人、B群20人にわけ、
A群は衣食住の時でさえも
目を合わさず、
話し掛けない、
最低限の接触。
結果、A群は4か月ほどで、
半数が死亡
B群は全員生存

上記、
2件の実験結果のように、
養育者(特に母親)と
スキンシップが取れなかった
子供達は不幸にして、
死んでしまうという
結果でした。
ですから、
幼少期に
養育者(特に母親)と
の肌と肌の触れ合いが
とても大切で、
それによって
心理的な結びつきが
出来て、
無条件の安全基地
(何が出来ても出来なくても
自分を受け入れてくれるところ)と
認識されることが、
子供の脳・身体の
健全な発育にとって重要です。
次号では、
この愛着障害と
呼ばれるものが
引き起こす生き辛さについて、
お話ししますね。