愛着はココロの問題の源③

前々号:

愛着はココロの問題の源①、

では愛着問題の概要について、

 

 

 

 

前号:

愛着はココロの問題の源②

では、どのようなお悩みがあるのか、

どう生き辛いのか、について、

 

 

3つご紹介しました。

 

 

 

 

今号はその続きです。

 

 

 

 

どのようなお悩みがあるのか、

どう生き辛いのか、

 

について続きをお話します。

 

 

 

④恋愛・子育てが困難

 

2010

大阪で発生した

 

大阪2児餓死事件の犯人で、

餓死した子供達の

 

母親のケース

典型的なので紹介します。

 

 

 

 

2006年に結婚、

200720歳の時に、

 

1子を出産、

その後、

 

2008年に第2子を出産して、

2009年に離婚。

 

 

 

 

離婚原因は、

自らの借金と不倫。

 

 

22歳で幼いこども2人を

抱えるが、

 

自分が勤めていた

風俗店の

 

借り上げマンションで

生活していたが、

 

交際相手(ホスト)との

時間を最優先して、

 

子供達の世話をしなくなる。

 

 

そして、終いには、

居間の扉に粘着テープを

 

張った上に玄関に

鍵を掛けて、

 

子供達を閉じ込めて放置し、

わずかな食料を

 

おいて交際相手(ホスト)と

過ごすようになり、

 

長期間、家を空けた。

 

 

 

 

 

50日ぶりに帰宅して、

子供達の死亡を

 

確認しても、

その後、

 

そのまま交際相手(ホスト)と

遊びに出かけてホテルに

 

宿泊していたこの母親も

また実母からネグレクトを

 

受けていて、

中学生の時に、

 

不良グループから

輪姦による性暴力の

 

経験もあった

 

 

~・~・~・~・~・~・~・~

 

 

この事件以外にも、

母親自身が実母から

 

虐待・ネグレクトを受けていて、

愛着形成がうまくいかずに、

 

 

“世の中に信じられれる

人がいない”

 

“大人は自分都合で

勝手すぎる”

 

 

と思っていて、

依存的になっていた時に、

 

たまたま優しく接してくれる

男性と肉体関係をもって、

 

子供を妊娠して、

その後、虐待死させてしまう

 

事件は決して尽きることなく、

定期的に報道されています。

 

 

 

 

上述のように、

 

まず恋愛についてですが、

愛着が不安定になっていると、

 

 

“誰かに頼りたい”

“誰か助けて欲しい”

 

って依存的になって、

精神的な安定を求めて、

 

肉体関係を

持ってしまいます。

 

 

 

 

また、依存的な時ほど、

相手は自己愛が過剰に

 

強い人を選んでしまいますので、

付き合い始めから男性の

 

いい様に使われて、

心理的な距離が

 

近くなってくると、

夜職(水商売・性風俗)で

 

稼いだ多額の

お金を貢がされて、

 

使えなくなったと思われたら、

捨てられてしまいます。

 

 

 

または、

 

交際相手から

いつも愛されているか、

 

“愛情の確認行動”

 

が止められずに、

 

例えば、

 

夜ひとりで居る時に、

急に不安な気持ちになると、

 

交際相手に対して、

 

“今、寂しいから、

すぐに会いに来て”

 

とか、エスカレートすると、

 

“今から飛び降りるから、

止めに来て”

 

とか、

 

 

“リストカット・

オーバードーズ(過料服薬)

するから、止めて”

 

とか、

 

 

連絡してきて交際相手が

本当に止めに来てくれるのか、

 

確認行動を行います。

 

 

 

 

 

人を好きになる

恋愛行動については、

 

ココロの状態が

とても不安定な状態なので、

 

過剰な自己犠牲をやって、

相手に

 

見捨てられないようにするか、

感情のコントロールが

 

不得意なので、

お付き合いする相手側が

 

対応できずに、

破談になってしまうことも

 

多いです。

 

 

 

 

子育てについて、

こどもはありのままの感情を

 

親に対して表現してきます。

 

 

 

“お腹が空いた”

“眠たい”

“抱っこして欲しい”

“遊んで欲しい”

 

 

など、

言葉にならない叫びと

 

鳴き声を発する訳ですが、

愛着障害の影響があると、

 

世代間連鎖により

実母から

 

十分なスキンシップが

なかったので、

 

感情機能の発育が

十分ではなく、

 

言葉が話せず、

感情だけを爆発させて

 

表現してくる赤ちゃんを

どうやって扱えばいいのか、

 

どうやって愛して

あげればいいのか、

 

わからずに、

 

 

“怖い”と思ったり、

“腹立つ”と

 

思ったりします。

 

 

やがて、

 

自分の子供にも関わらず、

子育てに気力がなくなって、

 

育児放棄してしまいます。

 

 

 

人間の進化・成長には、

愛着が深く関連しているので、

 

愛着が不全になると

広範囲にわたって、

 

様々な問題が

引き起こされます。

 

 

 

 

愛着障害の方が

よくあるお悩みについて、

 

4つ(前号含めて

ご紹介してきました。

 

 

 

お悩みについては、

まだまだあります。

 

ご紹介したのは、

愛着障害が原因と

 

考えられるお悩みの一部です。

 

 

 

次号では、

 

その社会的要因について、

お話したいと思います。