
前号
では、
境界性タイプの
特徴をお話して、
イメージをつかんで頂くために、
実例をご紹介しました。
今号は後編になります。
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イメージをつかんで
いただけましたか?
そして、この境界性タイプの
典型的な行動を表す
言葉として
『理想化とこき下ろし』が
あり“最初のうちは、
自分を大切にしてくれる人を
過度に理想化し、
少しでも自分にとって
気に入らないことがあると、
見捨てられたと思い
(見捨てられ不安)、
激しく非難したり、
嫌みを言い続けて、
こき下ろしてきます。
怒った後は罪悪感や
自己嫌悪に襲われる
というもので、
気持ちの浮き沈みが
とても激しく、
ジェットコースター
みたいと言われる
こともあります。
とても感性が鋭くて、
表現力も優れている
場合が多いと
言われていますが、
感情が不安定で
変化しやすい点があり、
短所でありながら
魅力でもあります。
“自分が見捨てられた”
“自分は愛されていない”
と思った時は、
思いも寄らない
突発的な行動に
出てしまったり、
何もかも破壊してしまう
衝動が止められません。

境界性タイプの
特徴をまとめると
①見捨てられ不安が強い
②極端で
不安定な人間関係;
理想化とこき下ろし
③気持ちの変化が
ジェットコースター
④自己破壊衝動
(自殺企図、リストカット、
過料服薬)が止められない
⑤常にココロに空虚感を
持っている
⑥怒りの感情のブレーキが
全く機能しない
⑦この境界性タイプは、
75%女性
ということになります。

どのようにして、
境界性タイプが
出現するのか、
ですが遺伝的な要因も
ありますが、
幼少期の成育環境を
列挙すれば、
1. 不安定な家庭環境
・両親の離婚、別居、
頻繁な引っ越し、
家庭内暴力など、
安定した「ココロの安全基地」が
築かれにくい環境
・家族間の関係が冷淡だったり、
逆に過度に干渉的であったりと
極端な関係性
2. 感情的・身体的・
性的虐待やネグレクト
・特に幼少期の
トラウマ体験(家庭内DV、
性暴力、親の依存症)が
強く影響するとされます
・愛されなかった、
拒絶された、無視されたと
感じる経験が、
自己否定感や
見捨てられ不安の原因
3. 一貫性のない養育態度
・親の態度が予測できない
(ある時は優しく、
ある時は厳しく、
理不尽に怒るなど)
・何が正しくて
何がいけないのか、
自己の基準を確立できず、
他人に合わせすぎたり、
自己があいまいに
なったりする
4. 感情の否定や抑圧
・子どもが
悲しんだり怒ったりしても、
「そんなことで泣くな」
「甘えてる」と感情を
否定された経験があった
・自分の感情を
信じられず、
感情の扱い方が
わからなくなる
5. 親が精神疾患を
抱えていたり、
感情的に不安定であった
・親自身が
境界性タイプな
傾向を持っている、
アルコール依存、
うつ病、不安が強い

では、
このような境界性タイプの方に
出会ったら、
どのように対応すればいいのか、
(当事者からの)
確認行動を終始反応して、
ココロから当事者が
安心した時にのみ、
変化が始まります。
ですが、確認行動は、
当事者があなたの愛情を
信用できるか、
どうかの厳しい
試練になります。
あなたがひるんだり、
冷静さを失ったり、
やり返そうとしたりすれば、
積み上げてきた信用が
ゼロになって、
最低の人間として
認識されます。
ですので、
傷つくことが嫌だ、
怖いと思う方は、
最初から距離をおいて、
近寄らないことが大切です。
そして、
関わる事を覚悟した方は、
最後まで対応する
ココロ構えが必要です。
決して、面倒だと思わずに、
確認行動に対応して、
『いつも、大切に思っている』と
何度も、何度も
伝え続けて下さい。