
今日、
Webニュースをみていると
“クレプトマニア”
(窃盗症)について、
記事が掲載されていました。
クレプトマニア(窃盗症)
というのは、
盗むことが
止められなくなる
病気です。
万引き依存症とも
呼ばれたりもします。
私は
NADAI
(全米薬物アルコール
インタベーションニスト協会)
が実施している
依存症専門
心理カウンセラー
養成プログラム
で学んだことがあるので、
依存症は
興味関心があります。
今日は、
少し依存症について、
理解して頂くために、
お話ししたいと思います
皆さんの身近で
依存症になるものと言えば、
アルコール、
薬物
が有名な対象だと思います。
これ以外にも、
カフェイン、
たばこ、
砂糖
なども依存する対象になります。
そして
上記でご紹介したのは、
いわゆる“物質依存”と
呼ばれるもので、
今日
ご紹介したいのは、
“行為依存”と
呼ばれるものです。
代表的なもので、
近年、
社会的にも問題に
なってきているのが、
ギャンブル依存、
インターネットゲーム依存
であり、
この行為依存の中に
含まれるのが、
クレプトマニア(窃盗症)
万引き依存になります。

私が
最初に
クレプトマニア(窃盗症)
万引き依存
を知った時、
どのようなメカニズムで
なっていくのか、
すごく疑問でした。
ですが、
元女子マラソン選手、
世界陸上女子マラソンで
6位に入賞した
原裕美子さんが
書いた本
『私が欲しかったもの』
の中でエピソードが
紹介されていました。
原さんは、
当時のコーチから
マラソン選手として世界戦で
戦うためには、
過酷な減量が
最重要である、
と言われていましたが、
どんなに食べる量を
減らしても、
練習量を増やしても、
目標体重まで
減ることはなく、
終いには、摂食障害に・・。
悪いことは続いて、
信頼していた
元コーチに1,300万円を
だまし取られて、
ココロが疲弊している中、
やっとしがみ付いた
婚約も不履行に
なってしまって、
メンタルが崩壊。
その辛さ、苦しさを
紛らわすために
“万引き依存”
になってしまい、
7度逮捕され留置所で
自死を何度も決意した
という壮絶な内容でした。

原さんの事例を
基に、
クレプトマニア(窃盗症)
万引き依存を
説明すると、
オリンピックや世界陸上で
入賞出来るほどの
アスリートなので、
体重管理、
食事管理は
とても厳密である上に、
関係者からの
メダル獲得の
大きな期待も背負って、
極度に“我慢”しないと
いけない状況が続いて、
凄まじいストレスを
抱えることになる訳です。
そのタイミングで拒食症
(物が食べられなくなる)
や
過食嘔吐
(異常ともいえる食事量を
飲み込んで、喉に指を
突っ込んで吐く、
体重が増加しないように)
を繰り返し、
摂食障害を
発症してしまい、
メンタル崩壊に伴って、
自己嫌悪が強くなり、
自己肯定感が
ますます低くなっていきます。
さらに、
元コーチによる詐欺行為、
婚約不履行が重なって、
ストレスが爆増状態になり、
そのストレスを
軽減できる方法として、
万引きすることが常習になり、
依存症になっていきました。
なぜ、
万引きに依存するのか、
という疑問があると思います。

万引き依存の方は、
貧乏で品物を
買うお金がない
からという理由で
万引きするのではなく、
お金は十分に持っている方々で、
万引きする前は、
“見つかったらどうしよう”
のような
ストレスと緊張で
張り詰めていく感覚があり、
品物を取って
窃盗に成功すれば、
一気に緊張から解放されるので、
この過程で
脳内快楽物質ドーパミンが
放出され、
ストレスが多少減ると
感じられるので、
依存状態になっていく訳です。
法律上でも、
人間としても、
絶対やってはダメなこと
(万引き、覗き、痴漢、
野外露出など)
を周囲の他人にバレないよう、
やり遂げることも
また
脳内快楽物質ドーパミンが
放出に繋がり、
常習化して、
依存状態になっていきます。
万引き依存は、
その行為だけをとがめても、
必ず、再発します。
依存症を寛解させるには、
叱責ではなく、
人と人との繋がりで、
理解することが大切です。