
心理カウンセラー/
セラピストをしていると、
よく言われる言葉として、
“穏やかそうですね、
愚痴とか言わないんですか?”
と言われて、
私がブチギレた場面を
見てもらうと、
“心理カウンセラーのくせに、
なんで・・・(キレるの?)”
のような言葉を頂いたりします。
皆さんは、
いわゆる
心理カウンセラー/セラピスト
ってどんなイメージを
持っていますか?
いつも穏やかで
ニコニコしていますか、
何でも受け入れて
くれる人ですか、
そんな仏様のような
イメージを
持っていますでしょうか?
私が
心理カウンセラーになる時、
その時に人気があった
心理講師の“養成”講座を
ほとんど受講しました。
受講生達は
全員まちがいなく
ココロが引き裂かれるような
体験をして、
その反動でうつ病になったり、
大病を患ったり、
精神病院閉鎖病棟に
入院したり、
アルコールやギャンブルに
依存したり、
その状態の
自分自身が許せず、
自死を毎日、
毎瞬間考えていた、
ような経歴をもっていて、
どん底を少し脱して
元気になってきたので、
講座に通い始めた
人達が多かったです。

私も含めて、
受講生達に
共通している課題を
一言で言えば、
“自己肯定感が低く、
病的に自己否定が
止められない”
というもので、
その他、様々な
思い込みをもって、
苦しみを抱えている
人達でした。
ですので、
どの講座でも
“あなたはあなたのままでいい、
何者になろうと
しなくてもいい”
というような
“全方向に全て肯定する”
流れで進んでいきます。
考えてみれば、
当たり前で、
生家ではことあるごとに、
“お前が居なければ、
離婚できたのに”
とか、
“本当は男の子(女の子)が
欲しかったのに”
とか
“お前は橋の下で
拾ってきた”
とか、
存在を否定されるような
言葉を
親からぶつけられてきたり、
親の機嫌を損ねると
物理的な暴力があったり、
性的いたずらを受けたりして、
全否定を
経験した訳ですから、
えらくへこんでしまった
ココロを戻す
工程から始まる訳です。

そして、
大体どの講座も
10日間時間を取ってあって、
10日目には
初日には見られなかった笑顔で
笑えたりして、
効果を確認できました。
受講生全員とはいえませんが、
自分の人生を取り戻して、
一歩踏み出した方々が
多くいました。
ただ、
冒頭にも書きましたが、
心理カウンセラー
“養成”
講座で
したので、
私自身は不十分だと
感じていました。
受講生の皆さんの
参加動機であった、
“しんどい、苦しい私を
何とかして欲しい”
がある程度、
叶って卒業されて
いきましたけど、
これで心理カウンセラー
“養成”
になっているのか、
という疑問がありました。
たしかに、
ずっと陰の道を
歩かざるを得なかった
人達が
“全方向に全て肯定する”
環境に身を置いたことで、
陽の道を歩き始めたので
バランスを取り戻し、
効果があったと思います。
ただ、
私は自分が
様々な養成講座を
受けてみて、
陽の道へは十分に
導けると思いましたが、
様々なお悩みを持っている
人達に対応するには
不十分だと考えていました。

そこで、
今でもなお、
私は人間が持っている
悪性について、
直接感じられるような
場に身を置いて、
人間がいかに自分勝手で、
強欲の塊で、
自分を守るためなら
手段は問わないほど残酷で、
冷酷であることを
継続的に学んでいます。
その場で
よく出会う人間が
発する
怒り、
嫉妬、
嫌悪、
恐怖、
貪欲さ、
傍若無人な振る舞い
を
人間の悪性を
理解するための
材料として
使わせて頂いています。
冒頭の記述の
回答になりますが、
私は意図して、
感情が
陽から陰に振れ幅が
大きくなるところに
身を置いています。
心理カウンセラー/セラピストは、
優しい、穏やか、受容だけでは、
不十分だと思うからです。
人間の悪性を
自ら体験している最中は、
やたらキレやすくなって
いたりします。
これも、
陽の極から陰の極まで、
様々な人間の
お悩みに対応するために
必要なステップで
あると考えています。