
先日、
『認知の歪み』というテーマで
記事を書かせて頂きました。
今日は、
その認知の歪みの中で、
“敵意帰属バイアス”
をご紹介したいと思います。
敵意帰属バイアスというのは、
“周囲の他人の
何気ない一言や表情、
ちょっとした行動や態度を、
自分に対する
意図的な攻撃や非難、
軽視と捉えてしまう傾向“
のことです。

実例を説明しますと、
有名人Aさんをお呼びして、
講演していただくという
講演会が開催されました。
講演会のポスターがAさんの
似顔絵でした。
有名人Aさんは、
『集客だけを考えたなら
写真が良いだろうに』
と思ったそうです。
写真なら、
誰なのかが
100%分かりますからね。
でもイラストだと、
『え? 誰?』
となる人が多少、
発生してしまいます。
有名人Aさんは、
『イラストにしたのは、
何か意図があってでしょうか?』
と主催者Bさんに、
SNSのコメント欄にて、
質問しました。
主催者Bさんから
『地元のイラストレーターさんを
起用したかったからです』
と解説されて、
有名人Aさんは
『なるほど』
と、理解したワケです。
ところが、
『イラストを
バカにしないでください!』
という、
怒りに満ちた
長文のコメントが
あったのです。
有名人Aさんに向けて、
敵意のあるコメントが
返信されてきました。
有名人Aさんの
質問である
『どうしてイラストを
使ったのか、
その理由を
教えてください』
が、
主催者Bさんには
『なんで、イラストなんか
使ってんだよ!(怒)』
と伝わっている状態で、
これが
まさに敵意帰属バイアスです。

敵意帰属バイアスには、
大きく分けて2種類あって、
上記の実例で
紹介したように、
怒り
(感情を外側に放出する)
パターン
と
妄想被害
(感情を内側に留める)
パターン
に分かれます。
まず、
上記のような
怒りパターンであれば、
相手は思ったことを
言っただけ、
質問しただけ、
指摘しただけなのに、
反応として、
『舐めんな』とか、
『バカにしてんのか!』とか、
『ふざけんな』とか、
『ケンカ売られた』
と受け取ってしまいます。
褒められても
バカにしてるんだ、
嫌みを言われている、
裏に何かがある、
と疑う、
相手は
わざと自分を困らせてくる、
悪意があってやっていると思う、
相手は単純に
質問しているだけなのに、
“詰められている”と
感じるのが
怒りパターンです。

そしてもう一つの
妄想被害パターン
を説明すると、
何も起きていないのに
被害を受けたと
感じる状態で、
他人の目線、
他人同士の会話、
相手の意見に対して、
『責められた』とか、
『否定された』とか、
『もう私終わりだ』とか
思ったり、
悪口を言われているん
じゃないかと
心配になる、
他人と話しているだけで、
どんどん自分が否定され
ひとりになっていく
感覚になる、
集団攻撃や仲間外れ
にあいそうで怖い、
他人から見られると
自分がどこか変で、
ダメだと思ってしまうのが
妄想被害パターンです。
総じて、
あなたは目の前の人を
『悪者』
『敵』
『悪意ある攻撃者』
だと認識して、
あなたのフィルターを通して
見た、
感じた
世界に捕らわれていませんか?

では、
なぜ敵意帰属バイアスを
持ってしまったのか?
①過去、厳格な主従関係を
体験した
親、兄弟姉妹、クラブ活動、
元恋人で
主従関係だったので、
不本意でも
従うしかなかったので、
認知が歪んでしまった
②過去の仲間外れ、
言葉の暴力、身体への暴力、
裏切り
過去の経験から、
周囲の他人を
全く信用することができず、
また傷つけられたくないので、
認知を歪めてしまった
③自分の能力や存在に
自信がない
自分に自信がない、
自己肯定感が低いので、
周囲の他人と関わることで、
そのことが
明らかにされてしまうと
思うと、
怒りパターンで
対応してしまう

そして、
どのようにして克服していくか?
①自分が傷ついてきたことを
認める
②自分の思考のクセであって、
現実には起こっていない
幻想であることに気付く
③価値判断をせずに
相手の話を聞いてみる
④出来事とその時の
思考・感情を分ける
⑤主従関係ではなく、
お互いの尊重しあえる、
あたたかな新しい経験を積む
過去に凄く嫌だった、
怖かった
体験をされた事によって、
二度と傷つかない様に、
出来上がってしまった
敵意帰属バイアスなので、
乗り越えてきた
ご自身に対して、
優しく、
ゆっくり声掛けして
あげて下さいね。
”今まで、
本当によく頑張ってきたね”
”ありがとう”