
7月20日(日)に
参議院選挙の
投開票が行われました。
大躍進をした
政党があれば、
大きく議席を
減らした政党も
ありましたよね。
選挙結果は
Web上やテレビ報道で
確認されていると思いますが、
私にとって印象的なのが、
候補者本人ではなく、
周辺で会場設営や音響準備、
人流誘導などの
スタッフやその活動を
下支えしている
ボランティアスタッフの方々、
そして熱心な支持者の方々が
自分事のように喜んで、
嬉し涙を流したり、
自分事のように悲しんで、
悔し涙を流している
シーンでした。
候補者本人は
この炎天下の中、
なるべく多くの人達に
自分の訴えを聞いて欲しいので、
1日あたり3~10会場を
回って演説を行って、
声がかすれるまで
声を出し続けて、
アンチの対応をしながら、
使う言葉によっては、
さらに反感を食らうので
細心の注意を払いながら
演説を繰り返す。
その努力の末に
当選すれば、
念願が叶って、
感極まって
涙が流れるのは
理解できますが、
候補者以外の方々で、
直接的に周囲で
お手伝いする人や
SNSを通じて
支援者になった人までが、
候補者の当選画像を見て、
なぜ嬉し涙や悔し涙が
流れるのか、
ココロの観点から
お話したいと思います。

支援者の方々は
自分の推し候補の
主張をSNSで
チェックしています。
You tubeやInstagram、
Tiktokなどで
切り抜き動画を多用しています。
そのような操作を
スマホ上、PC上
繰り返していると、
エコーチェンバー効果
と
フィルターバブル
と呼ばれる現象が
起きます。
エコーチェンバー効果とは、
同じ意見を持つ人々が
集まるコミュニティ内で
情報が反響し合い、
意見が強化される現象で、
フィルターバブルは、
アルゴリズムによって
個人の検索履歴や
閲覧履歴に
基づいて情報が
フィルタリングされ、
自分にとって
都合の良い情報だけが
表示される現象です。
つまり自分好みの情報が
機器によって学習されて、
その好みの系統情報しか
表示されなくなって、
その情報が表示される
コメント欄を読んでいると、
激しく納得できる、
合意できる意見と出会って、
自分の思考は
正しいから派生して、
自分は悪を倒す善である、
正義である、という
考えになっていきます。

そこにプラスして、
人間が持っている機能で
RAS
(Reticular Activating System)
機能
という呼ばれる機能があります。
簡単に言えば、
自分にとって重要だと思う
情報だけが見えて、
聞こえる、
見たいものだけを見て、
聞きたいものだけを聞く、
という機能を持っていますので、
認識できる情報はより
限局的で、
自分好みに
フィルタリングされています。
この時点で、
狂信的で、熱狂的に
候補者を推している
支援者達は
ある意味自己同一化を
起こしていると思います。
自分と候補者を同一視して、
候補者の喜びは
自分の喜び、
候補者の悲しみ・痛みは
自分の悲しみ・痛み
に感じられるように
なってしまう状態です。
そして、投票結果として、
候補者の当選が確定すれば、
支援者が
今までの個人的なことについて、
思いを持っていても
果たせなかった物語があって、
その果たせなかった
自分を候補者に投影して、
目の前の出来事をとらえて、
願望が成就したかのように
感じられるので、
感極まった涙が流れる訳です。

候補者が落選すれば、
まったく逆の効果になります。
いずれにしても、
候補者に対して、
支援者が投影を
起こしていることが
原因として考えられます。
このような現象は
オリンピックや世界選手権、
スポーツ全般では
特によく観察されて、
競技選手に
自分の物語を投影して、
感動することを体験されたり、
そのような状況を
見たことあると思います。
競技選手の物語を
知れば知るほど、
苦労していればいるほど、
投影は起きやすくなります。
ご自身の内側の
本当の気持ち、
感情に気づく
良い機会になりますので、
是非、自分自身と向き合う
時間を作ってみてください。