
心理カウンセリングを
やっていると、
ある特定の感情だけ
表現することを
禁止している人に
出会います。
私の感覚ですが、
一番多いのは
怒りの感情表現を
禁止している人だ
と思います。
たしかに、
怒りの感情は
とても強烈なので、
使い方を間違えると
周囲の他人を傷つけるし、
最終的には自分自身を
傷つけてしまいます。
それほど、
すさまじいエネルギーです。
ただ、怒りはよい面もあって、
例えば、いきなり
“明日の朝9:00始まりの
会議に間に合わせて”
って上司から
膨大な資料作成を
依頼された時、
上司の身勝手さに
怒りを感じると思いますが、
“ひとつずつステップを
踏めば明日の朝までには
出来上がる”
と考え直して、
作業を前に進める時に
怒りの感情は
とても重要です。
物事を完成に向けて、
前に進めるためには
怒りの感情が必要です。
では、
怒りの感情を感じているのに、
表現をせずに
身体に留めておくと、
どのような弊害が起きるのか、

①他人が怖くなって、
嫌いになる
このタイプの人は
怒りの感情を
なかったことにして、
蓋をしてしまう人で、
これを続けていると
怒りに触れること
自体が怖くなって、
怒り恐怖症に
なってしまいます。
これは幼少期に親から
“怒りの感情表現なんて
はしたないから止めなさい”
と呪文のように、
言われ続けて、
怒りの感情表現を
無意識のうちに禁止したり、
そもそも怒りを感じること自体、
禁止することを
体得してしまった訳です。
そして、
大人になって、
本当は自分自身を守るために、
怒りの感情を使わない
といけない場面になっても、
怒りを使えないために、
他人から否定されても、
罵倒されても、
無意識に怒りを
抑圧しているので、
何事もなかったかのように
振舞ってしまうことで、
周囲の
他人の感情サンドバック役に
なってひどい目にあっても、
何も言い返さない
状態が続きます。
その結果として、
他人が嫌いになって、
怖くなってしまいます。

②ココロだけではなく
身体の健康も害する
体内に、
ストレスホルモン:
コルチゾールが
分泌されて、
いつもココロが不安定で、
イライラを感じていて、
すぐにでも戦闘モードに
入ってしまいます。
また、
このイライラをごまかすために、
過剰な飲酒、過食、
問題ギャンブルに
陥ったりして、
著しく身体的健康も、
精神的健康も
害してしまいます。
③人間関係をなくして
孤立していく
怒りを抑圧している人に関して、
周囲からの評価は
真面目でいい人と言われます。
周囲の他人に気を使って、
笑顔でお世話をしていれば、
周囲から必要とされるので、
笑顔でお世話をして、
真面目でいい人が
止められなくなる訳です。
その一方で、
本当の気持ちを抑圧して、
かなりの自己犠牲を
払っているので、
怒り(ストレス)が
溜まってしまいます。
この怒り(ストレス)を
ごまかすために、
SNS、
飲酒、
異性関係、
ギャンブル、
いじめ
にのめり込んでいきます。
本当に感じている
自分の感情
と
社会に対して
表現している自分、
との格差が
どんどん拡がって、
ますます苦しく
なってしまいます。

怒りの感情が
爆発寸前の
飽和状態になれば、
自分より立場が
弱い人をいじめたり、
否定したり、
陰湿ないじめに転じます。
周囲の他人達は
まるではれ物に触れるが如く、
会話を交わさなくなり、
気が付けば
誰も周囲には
いなくなってしまいます。
では、
怒りの感情の問題があると
自覚した時、
どのようにすればよいかですが、
まず、大前提として、
怒りの感情は
絶対に必要なものである、
ということを認めてください。
あなたがある人から
嫌な思いをさせられる、
怖い思いをさせられる、
その際に
“嫌です、止めてください”
といって、自分自身を
守るためには絶対に
必要な感情です。
ですので、
怒りの感情を
否定するということは
否定的に扱われる、
暴力を受け入れる
ということになります。
その上で、
怒りの感情は
2次感情ともいわれて、
本当の感情;
第1感情
(悲しい、怖い、恥ずかしい、など)
を感じていますが、
瞬時に怒りの感情に
すり替えられています。
事例として、
男性によくあるのが、
恐怖の感情を怒りに
すり替えるケースが
ありますよね。

それで怒りを感じた時に
自分に質問してみて下さい
・私は何に対して
こんなに怒っているのだろう?
・私、本当はどんな感情を
感じたくなくて怒りに
すり替えているのだろう?
この問いに
気が付ければ、
怒りの問題は
収まっていきます。