憎き女性性

性別問題に

ついて考える時に、

 

よく出会うお悩みが

 

“女性に生まれたことを

すごく否定している方が

多い”

 

 

ということです。

 

 

昭和の時代には、

“男尊女卑”という言葉が

 

あったように、

 

女性の社会的地位が

低かったり、

 

役職昇進が男性よりも

遅かったり、

 

仕事はよくできる

都合のいい便利屋扱いで、

 

男性と給料の差が

付けられていたり、

 

“男尊女卑”が当たり前の

風潮がありました。

 

 

 

 

 

このような、

“男尊女卑”的な

 

価値観は

家庭内にも持ち込まれて、

 

こどもの頃から

女性であることを否定され、

 

暴言を浴びせられてきたので、

その方の人生全般に

 

わたって深刻な問題を

引き起こしています。

 

 

 

例えば、

 

 

結婚したいけど

男性が嫌い、怖い、

 

 

男性に憎しみを感じる、

 

 

女として見られることを

拒否したくなる、

 

 

自分は女だからダメだ

という自己否定や

自己卑下の

思い込みを持ってしまう、

 

 

常に周囲の男性に

敵意を向け戦ってしまう、

 

 

女である自分に

拒絶感を持っていて

男性的な容姿、振舞いをする、

 

 

女らしさを

否定しているので、

“美しさ”や“かわいさ”を

前面に押し出している

女性に敵意を

抱き戦いを挑む、

 

 

 

などが問題として

挙げられます。

 

 

 

 

では、

 

なぜ例示であげたような、

女性性の否定が起きるのか、

 

説明します。

 

 

①男の兄弟は大事にされて、

女である私は差別された

 

 

このようなケースがよくあります。

上述しました“男尊女卑”の

 

考え方が常識で、

家柄や家紋が

 

すごく大切にされていた時に、

長男が生まれなければ、

 

“家”が途絶えてしまうと

考えられていました。

 

 

 

そして、

女はいずれ嫁に出ていく、

 

家を出ていくんだから、

という理由で軽んじられて、

 

教育さえも

まともに受けさせなかった、

 

 

 

そして、

 

“お前は役に立たない”

と言われて、

 

存在そのものを

否定されていた、

 

 

 

このような生育環境に

身を置くことで、

 

自分自身に対する

否定的な観念や

 

価値観を持って、

自分の女性性を恨み、

 

自己否定を強化するような

生き方をしてしまいます。

 

 

②男が生まれなかったのは、

お前のせいだといわれる

 

 

 

男の子が生まれることを

待望している

 

祖父母、父から容赦なく、

 

 

“お前が

男だったらよかったのに”

 

 

と言葉を投げつけられたり、

女として生まれて

 

自分では

どうしようもなかったのに、

 

“男が生まれなかったのは、

お前のせいだ”

 

と言われて、

性別に関して

 

自己否定している

 

 

 

③女性であることで

幼少期に性暴力、

性搾取を受けた

 

 

関係性が

近い近親者によって、

 

性暴力・性搾取を

長期間に渡って

 

受けてきた

深刻なケースもあります。

 

 

 

被害者である女性は、

本当ならば、

 

加害者に向けた

“怒り”の感情を

 

表現することが

ごく自然なのに、

 

 

“私が悪い”とか、

“私は汚い”とか、

“私は汚れている”

 

 

 

などの思い込みを

持ってしまいます。

 

 

 

そして、

自分の性別を恨んで、

 

否定することが止められず、

自己破壊的で、

 

破滅的な生き方しか

出来なくなってしまいます。

 

 

 

④男性であることを

期待された女性

 

 

 

自営業を営んでいた

両親はこの家業を

 

男の子に継がせたいと

思っていましたが、

 

女しか生まれず、

家業を継ぐことを

 

指名された

長女はずっと両親から

 

“お前が男だったら、

どんなに良かったか”

 

と言われ続けて、

自分が男で生まれなかったことに

 

罪悪感を持っていました。

 

 

 

そして、

 

無意識に男性のような

外見、立ち振る舞いを

 

することで両親の期待に

応えようとしていた訳です。

 

 

では、

 

女性性を

ずっと否定し続けていれば、

 

どのような問題が起きるのか、

 

 

まず、

大前提としては、

 

 

女としての

自分の性別を

否定するということは、

 

自分自身の

存在の否定に

つながります。

 

 

この結果、

絶望的に考えて、

 

どうせ私は女性で、

自分では何もできないから、

 

男性に対して

とても依存的になって、

 

自分の意思を持たない

他人軸な生き方になったり、

 

反抗的に考えて、

 

“私を舐めるなよ”とか、

“男には実績で勝ってやる”

 

自分自身に発破をかけて、

がむしゃらに努力はしても、

 

こころが虚しい状態が続きます。

 

 

この

絶望的な生き方

反抗的な生き方、

 

どちらも極端で生き辛いです。

 

 

最後に、

女性性を否定している方は

 

高確率でトラウマを

持っている方が多いです。

 

 

 

 

ですので、

改善の方向性は

 

トラウマに向き合うことが

大切になります。

 

 

 

トラウマは長期間に渡って

出来てしまったココロの傷なので、

 

ゆっくり少しずつ

向き合っていくことが

 

安全に進めるためには

重要です。

 

 

決して、無理はしないで下さい。