
昨日、
中高年のひきこもり
というテーマで、
2つの殺人事件を
紹介した上で、
深刻な社会問題に
なっていると説明しました。
今日はその続きになります。
中高年のひきこもりを
起こす原因②~④を
下記に列挙します。

②両親が不仲
両親の喧嘩が
絶えず家で起きていて、
ひどい喧嘩になって
母親が実家に帰ってしまって、
こどもの自分は
置いて行かれた、
という体験をすると、
こどもは
“学校に行っている間に、
私は見捨てられて、
置いて行かれる
かもしれない”
という妄想で
頭がいっぱいになるので、
家に居て、
お母さんが
出ていかないように、
見ておかないと
不安で仕方がない、
という理由から
ひきこもりになってしまい、
見捨てられ不安を
持ったまま
大人になってしまった
ケースがあります。
③両親が甘やかしすぎ
家の中では、
自分の欲求に対して、
両親が何とか
こたえてくれたが、
学校や社会に出ていくと
自分の思い通りにはならない
現実を受け入れられず、
思い通りにいかない
社会に対して、
他責思考になり、
愚痴が止まらず、
恨みを持つようになります。
家にいれば、
衣食住の心配はないし、
何の責任を取らされることも
ありません。
両親から注意されても、
前編でご紹介した
練馬のケースのように、
家庭内暴力で
対抗すれば、
年老いた両親を
支配できるので、
唯一思い通りになると
思い込んでいる
家でひきこもりを
続けてしまいます

④いじめや虐待による
自己否定
幼少期に家庭が
安心安全を感じられる
場所ではなく、
躾という体裁で
身体的な暴力があったり、
事あるごとに、
否定的な言葉
“お前なんか
生まなければよかった”
とか、
“お前は橋の下で
拾ってきた”
とか、
“お前がいなかったら、
離婚できたのに”
など、を投げつけられたり、
いつも緊張状態であった。
そのような生育環境下にいると、
自己否定が強くて、
“私が生きていて
ごめんなさい”
と感じたり、
自己肯定感が低くて、
周囲の他人から
傷つけられることが怖くて、
かなりの自己犠牲を
払っても、
周囲の他人の要求に
応じてしまい、
単なる“都合のいい人”に
なってしまいます。
上述な体験をすれば、
学校にいっても、
思い込みとして、
“私はダメな人間”
とか、
“スクールカースト上層生の
役に立つときだけ、
居場所がある気がする”
を持っていて、
集団いじめのターゲットに
なってしまい、
対人恐怖を強めてしまいます。
社会に出た時に
ほんのちょっとした会話でも、
ココロが傷つけられる
経験が重なって、
妄想が酷くなっていくと、
“世の中は私を傷つけてくる
怖い処”
とか、
“他人を信用しても、
必ず裏切られる”
とか、
“私なんて生まれてきたこと
自体間違いだった”
とか、
“他人は必ず私から
遠ざかっていく”
を連想するようになって、
不安・恐怖心が
増大して、
やがてひきこもりに
なってしまいます。

ひきこもりを
重症化させないために
一見、ひきこもりを起こす
こども側に問題があるように
思いますが、
こどもは親の影響を
まともに受けているので、
親の考え方や感情の起伏、
物事のとらえ方、
すべて引き継いでいます。
ですので、ひきこもりのこともを
対応する前に、
親が一度、
心理カウンセリング/セラピーを
受けることをお勧めします。
絶対にやっては
いけないことは、
上述した
練馬のケースのように、
ひきこもりのこどもが
居ることを隠すことです。
時間が経てば、
状態は
ますます悪化するので、
万策尽きたと思えば、
行政や専門家に
相談することが大切です。