
今日は少し重いテーマです。
親から否定されたり、
拒絶されたりして
育った人のこころに
ついて話します。
報道でショッキングな事件を
見るたびに
「もっと何とか
できなかったのかな」
と思うことがありますよね。

なぜ親は子どもを
否定・拒絶してしまうのか?
理由はひとつではありません。
代表的なパターンを
分かりやすくまとめます。
1) 「自分が愛されたい」という
欠乏感が強い
・「夫に愛されたい」
「周囲に認められたい」
といった欲求が強く、
子どもを自分の
満たし役(アクセサリー)
として扱う
・自由やキャリアを
奪われたと感じ、
育児を「面倒」
「自分の不幸の原因」と
見なしてしまう場合も
あります
結果として、
子どもは
“自分は
愛されるための存在”
ではないと感じさせられます
2) 「思い通りにならない
子どもはいらない」
・親の評価や体裁を優先し、
礼儀や成績が親の理想に
合わない子を排除する
・子どもを自分の欠乏感や
虚栄心を満たす
“道具”として
扱ってしまうケースです
3) 子どもへの嫉妬
「親を超えるな、幸せになるな」
・子どもの成功や
周囲の愛情が、
親の劣等感や
不安を刺激する
・その嫉妬心から
子どもを傷つけてしまう
ことがあります
4) 親自身が精神的に
不安定である
・感情のコントロールが難しく、
子どもの普通の
感情表現
(甘え・怒り・泣き)に
耐えられず、
拒絶してしまう。

親に否定されて育った人は
どうなりやすいか?
影響は深く、人生のさまざまな
場面に現れます。
強い自己否定
「自分なんて
生まれてこなければよかった」
といった自己価値の低さが
慢性化します
人間関係の問題
対等な関係を築けず、
支配-服従の関係や
自己犠牲的な
“いい人”になりがち
「どうせ嫌われる」
「見捨てられる」という恐れが
対人行動を歪めます
自尊心が低く、精神的に
不安定になりやすい
・自責的になりやすく、
うつや不安、
被害的な感覚に
悩まされることがあります

回復のための
具体的な方向性
「自己犠牲で承認を
得ようとしてきた」人が多いので、
小さな“自分への承認”を
積み重ねることが大切です
1. まずは自分を褒める・認める
・「よくここまで生きてきたね」
「あのとき耐えた自分は偉い」
と口に出してみる
・日記に「今日できたこと」を
3つ書くだけでも、
自分を肯定する力が育ちます
2. 小さな境界線(バウンダリー)を
作る練習
・無理な要求を「今は無理」と
やんわり断る練習をする
・最初は短い・簡単な場面でOK
成功体験が自信になります
3. 信頼できる人と少しずつ関係を築く
・すべてを明かす
必要はありません
少しずつ本音を話せる相手を
見つけること
カウンセリングや
支援グループも有効です
(専門家の力を借りるのは
強さの一つです)
4. 自分の感情に名前をつける習慣
・「今、私は◯◯を感じている」と
感情に言葉を与えるだけで
落ち着きます。
・感情が“敵”ではなく“情報”になると、
扱いやすくなります。
5. 自分を“親の代わりに守る”
という観点を持つ
・親に期待して得られなかった
承認は、自分で少しずつ与える
・自分を励ます短いフレーズを
朝晩唱えるのも助けになります

最後に —
あなたは一人じゃない、
そして回復は可能だと伝えたい
親からの否定や拒絶は
深く苦しい経験です。
でも、その経験を
「自分の全部」にしない
道はあります
まずは
「ここまでよく頑張ってきたね」と
自分にやさしくすること
小さな肯定の積み重ねが、
ゆっくりと自尊心を育て、
対人関係や感情の扱いを
変えていきます
もし今、苦しさが強く日常生活に
支障が出ているなら、
専門家の相談を
検討してください
あなたが
ここまで生き延びてきたこと自体が、
もう十分に価値のあることです
自分を大切にする一歩を、
今日から一つでいいので
始めてみませんか?