
「褒められると、
どう反応していいかわからない」
「素直に“ありがとう”が言えない」
そんな経験、ありませんか?
周囲の人から
好意的な言葉をかけられても、
なぜかモヤッとして
落ち着かない。
むしろ、叱られたり
注意されたりした方がしっくりくる。
もしそう感じるなら、
あなたの中に
“褒められるのが苦手”
という心理が
働いているのかもしれません。
■ なぜ、褒められると
居心地が悪くなるのか?
その根っこには、
“自分なんて
認められるはずがない”
という無意識の
思い込みがあります。
たとえばこんな感覚です。
・「できない自分が恥ずかしい」
・「社会人として・親として・
人として失格だ」
・「自分なんて大した存在じゃない」
こうした自己否定の
感覚があると、
他人からの
“好意”や“尊敬”、“感謝”と
いった肯定的なメッセージを
受け取るのが難しくなります。
むしろ、
「注意される」
「叱られる」
「見下される」
といった
否定的な反応の方が
落ち着く
そんな逆転現象が
起きてしまうのです。

■ “見たい現実しか
見えなくなる”ココロのしくみ
人間の脳には
「RAS(ラス)」という
フィルター機能があります。
自分が信じていること、
つまり“思い込み”
に合う情報だけを
拾い集めてしまう仕組みです。
たとえば
「私はダメな人間だ」と
信じていると、
周囲の優しさや
感謝の言葉は
無意識にスルーし、
批判的な言葉ばかりが
耳に残ります。
結果として、
「やっぱり自分はダメなんだ」と
自己否定が強化されていく。
まるでココロの中にある
歪んだメガネを通して
世界を見ているような
状態です。
■ 褒め言葉は“相手の真実”
もし誰かが
あなたを褒めてくれたなら、
それはその人の
視点から見た“真実”です。
だから、
「そんなことないですよ」と
否定せずに、
まずは“そう見えているんだな”と
受け取ってみてください。
無理に信じ込む必要も、
期待に応えようとする
必要もありません。
「ありがとう」と言うだけで
十分です。
その一言が、
ココロの中に
“自己肯定の種”を
少しずつ
芽吹かせてくれます。

■ 「いつも褒められる自分」で
いなくていい
褒められると、
「次も頑張らなきゃ」
「期待に応えなきゃ」
とプレッシャーを感じる人も
多いでしょう。
でも、褒められた自分を
ずっと維持する
必要なんてありません。
あなたの“今この瞬間”を見て、
良いと思ってくれた人が
いただけのことです。
完璧である必要はなく、
失敗しても、
うまくいかなくても、
あなたの価値は変わりません。
■ 自分を責めるクセを手放す
「もっと頑張らないと
認められない」
「苦労しないと価値がない」
そんな思い込みがあると、
他人との距離を
自ら遠ざけてしまいます。
でも、その思い込みは、
過去のつらい体験から
身についた
“ココロの防衛反応”
でもあります。
誰かに裏切られた、
拒絶された、
そんな過去があると、
「もう二度と傷つきたくない」と
思うのは自然なことです。
だからこそ、
今の自分を責める
必要はありません。
まずは、
「私は褒められるのが
怖いんだな」と
気づくだけで十分です。

■ 好意を受け取る練習を、少しずつ
現実の世界には、
あなたを好意的に
見てくれている人が
必ずいます。
それに気づけないのは、
ココロのフィルターが
曇っているだけ。
意識の向け方を
少し変えるだけで、
世界の見え方は
大きく変わります。
たとえば今日、
誰かに
「ありがとう」と言われたら、
「どういたしまして」と
笑顔で返してみてください。
たったそれだけでも、
自己否定の鎖は
少しずつほどけていきます。
褒められることに
慣れていないあなたへ。
“受け取る勇気”を
少しだけ持ってみてください。
あなたは、
思っている以上に
誰かのココロを
温めている存在です。