同調圧力②

前号;

同調圧力①の続きです。

 

共同体の一員と自覚し、

帰属することで

 

精神的な安定を

得ようとするのが

 

『共同体意識』です。

 

一方、『絆』や『結束』など

うたい、一致団結を

 

最優先するのが

『共同体主義』です。

 

現実的な利益や

必要性を超越し、

 

とにかく共同体のために

団結するというある種の

 

社会思想です。


共同体主義が

発生する要因は、

 

上記の

同質的、閉鎖的な

 

日本の社会構造にあり、

『自分がそうだから

 

同質なメンバーも同じ言動を

すべき』と意識して、

 

選択させられてしまいます。

 

閉鎖性と同質性、

個人の未分化という

 

3要素と共同体主義が

相互に補完し合い、

 

同調圧力を産み出しています。

 

ただ、過去には、同調圧力が

生み出した成功体験があり、

 

戦後日本の復興には

機能していました。

 

戦後、

日本をけん引した

 

電機、自動車産業など

では均質な製品を

 

効率的に生産することが

重視されました。

 

このような現場では

均質的な人材と

 

統制のとれた行動が

求められました。

 

ホワイトカラーの職場でも

決まった仕事を行う上では

 

同質的で

従順なメンバーが好まれました。

 

欧米諸国に追い付くために、

個性・創造性・独創性よりも、

 

模倣し、迅速な作業ができる

システムが必要だったのです。

 

しかし、

高度な情報伝達技術の

 

発展に伴い、

根本から社会構造が

 

大きく変わった現代においても、

このような昭和的な

 

工業社会の約束事が

未だに変わっておらず、

 

今、令和においては、

人々に悪影響を及ぼしている

 

側面もあります。

 

現在、同調圧力の問題点が

日本社会のあらゆるところで、

 

表面化しています。

 

同調圧力を表面化させ、

さらに過激にしている

 

張本人はSNSです。

 

かつての

同調圧力は

 

タテ方向(秩序)から

与えられていました。

 

しかし、

現代ではSNS

 

代表される

ヨコ方向(正義)の

 

圧力が強力になっています。

 

タテの圧力(秩序)の

後ろ盾は、

権力や序列でしたが、

 

ヨコの圧力(正義)の

後ろ盾は、

正義です。

 

SNSの無数の声によって

『正義』のお墨付きが与えられると、

 

それに異議を唱えるものは

容赦なく誹謗中傷されます。


姿も見えず、

名前もわからない人々から

 

水平方向からの圧力に

抵抗することは容易ではなく、

 

権力者でさえも公の場から

退場することを

 

余儀なくされます。

 

そして、

その大きな『正義』に同調する

 

ことが求められるのです。

 

 

 

それでは、

この日本社会に

 

はびこる同調圧力と

どのように向き合っていくか、

 

ですが、ゴールとしては、

同調圧力の方向性に

 

同調してもいいし、

真反対の方向性に

 

同調してもいい、

ということになると思います。

 

同調圧力という言葉に

縛られていない状態です。

 

同調圧力に縛られていた時は、

同調圧力に従うという

 

一方向しかない、

選択肢がない、

 

ように感じていた

かもしれません。

 

かと言って、

同調圧力の真逆ばかりを

 

選択して、同調圧力の支配は

受けていない、といっても、

 

全自動で真逆の方向性が

導き出されてしまえば、

 

“同調圧力に支配されている”

となってしまいます。

 

ですので、

同調圧力に従う、

 

同調圧力と真逆、が

導き出せれば、

 

その折衷案もつくることも

可能になります。

 

同調圧力に気付き、

 

“このままじゃ、

個性・創造性・独創性が

ダメになる”

 

と心底、思う事がスタートです。

 

全ての

同調圧力包囲網から

 

脱出することは、

難しいと思いますが、

 

せめて、あなたの日常生活が

快適になるように、

 

ご自身で進む方向性を

選べる状態になっておくことが

 

重要であると思います。