
では愛着問題の
概要について、
では、
どのようなお悩みがあるのか、
どう生き辛いのか、
について、
3つご紹介しました。
では、
お悩みの続きとして、
恋愛と育児について、
お話ししました。
前号④では、
愛着障害を
引き起こしている
直接的な原因ではなく、
社会的要因と考えられる
高度に発達した
情報化社会について、
お話しました。
今号は続きです。

②十分なバックアップがない
状態での女性の社会進出
家族間で
①発達した
情報化社会の弊害に、
さらに拍車をかけているのが
表題の
“十分なバックアップがない
状態での女性の社会進出“
です。
日本でも、
多様化される
社会の一部として
“もっと女性の社会進出を”
や
“女性管理職比率を
25%以上”
を掲げている企業が
多いと思いますが、
現状、日本では、
出産・育児に関して
十分なバックアップ体制が
全く取れていない状態で
様々な課題が
浮き彫りにされています。
子供が
まだ幼いにも関わらず、
母親が激務・勤勉に
仕事をせざるを
得ない環境で、
時間を費やしてしまうことで
親子間の体温を
感じる交流、
人と人:絆、愛着の交流が
薄くなってしまっています。

一昔前、
当たり前のようにあった、
夫婦共働きでも、
祖父祖母が
同居する大家族で、
幼い子供の世話を行って、
たっぷり愛情を
注がれていた状況から、
現代は核家族化が進み、
“働く女性”が増えて、
女性の就業率が
向上したことは事実ですが、
それに伴った母子間の絆を
サポートする
社会保障制度;サポート体制が
十分ではなく、
愛着関連障害;
愛着システムの崩壊が
起こりやすい状況です。
(岡田尊司先生の著書
『死に至る病』の
本文から一部引用、)
『オキシトシンと言われる
ホルモンの分泌が正常に、
必要十分に行われることが
重要であり、
幼少期に特定の
養育者(特に母親)との
結びつきを通じて、
オキシトシンが
正常に分泌される
回路が生成、
確立することが
何よりも大切です。』
(引用終わり)
と記載されています。

しかし、
上記に述べたような、
①高度に発達した情報化社会
②十分なバックアップがない
状態での女性の社会進出
が発生したことにより、
母子間のスキンシップの時間が
十分でなく、
オキシトシン回路が
うまく作動せず、
愛着が不安定で、
心や身体の数々の異変、
うつ症状、
気分障害、
不安障害、
摂食障害、
依存症など、
上記で述べた
“現代の奇病”を
生み出した一因に
なっていることが
指摘されています。

統計データから読み取れること
そして、これらの傾向を
公表されているデータと
照らし合わせて
みたいと思います。
これは内閣府が
平成26年に行った、
子供・青年白書
特集 今を生きる若者の意識
~国際比較からみえてくるもの~
から抜粋したものです。
質問は自己肯定感を
調べるもので、
“自分に満足していますか?”
という問いに対して、
日本で45.8%しか
“はい”と答えていなく、
先進諸外国は
軒並み70~80%超であります。
この統計データを見て、
ある方は、
“日本は戦争に負けたからだ”
という人がいますが、
日本よりもより戦争に
負けているドイツでは
80.9%あります。
またある方は、
“日本は受験戦争が
激しいからね”
といいますが、
日本よりも受験で
一生が決まると言っても
過言ではない
韓国は71.5%あり、
日本はダントツに
自分に満足していない、
つまり、自分自身に
自信がない人が
多いことを表しています。
時代が変化することによって、
国際情勢・社会情勢が
変化し、OA化が
促進・奨励され、
それに伴って飛躍的に、
情報化社会の波が
日本人を飲み込んだと
思われます。
たしかに、
それらの恩恵によって、
私達は便利で、
快適になりました。
しかし、その副作用として、
愛着関連障害;
愛着システムの崩壊が
発生してしまい、
自分自身に
自信のない人達、
回避傾向が強い人達を
量産してしまった
可能性があります。
いかがでしたでしょうか、
愛着はココロの問題の源
と題して、①~⑤まで、
さっくりとお話してきました。
お悩みの詳細を見ていくと、
まだまだありますので、
今後、個別に
お話ししたいと思います。